西日本新聞に毎月連載しているのコラム『激変するインド』の、写真が3年以上前のものとなってしまったので、来月から差し替えてもらうべく、新しい写真を撮影しました。
写真館で撮影しました……と言いたいところですが、今朝、自宅で自己撮影したものです。
先日ドバイ空港で購入した日本製のデジタルカメラ。「美肌モード」というのがついていて、「これは詐欺だな」と思いつつも、力一杯、愛用している昨今。
聞けば、今時の日本製デジタルカメラには、たいてい付いている機能なんですってね。知りませんでした。そうであれば、「ずるをしている」と罪悪感を覚えることもなさそうです。
さて、朝の自然光を利用しようと、外出前、しかし着ていかない服を着て、ドライヤーで髪を整え、三脚を用意し、デジタルカメラをセット。
「10秒タイマー」を利用して、自己撮影すること数十回!!
「写りのいい一枚」を撮ることの難しさ。だんだん顔が強ばってきます。しかも普段よりも蒸し暑い今朝。しまいには汗だくになりながらの撮影でしたが、なんとか「実力以上」を数枚、写すことができました。
最先端のデジタルカメラでも、さすがに二の腕の太さまでは調整してくれませんでしたが、こればかりは仕方ありませんね。
ちなみに新聞には「顔部分」だけが切り取られるはずで(しかもモノクロ)、張り切って身に付けているジュエリーは入らないとわかっていつつも、一応、身に付けました。
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この二連のパールネックレスとイアリングは、2年前の誕生日に夫が買ってくれたもの。インドでは、金銀宝石類だけでなく、真珠もまた種類も豊富に、廉価で入手することができるのです。
南インドにハイダラバードという都市があります。今ではIT関連のビジネスも盛んな商業都市の側面を持ちますが、ここは古くからムスリム(イスラム教徒)が多く住まう地区で、同時に真珠の集散地としても知られています。
内陸部に位置するハイダラバード。ここで真珠がとれるわけではないのですが、世界各国の真珠がここに集められ、洗浄、加工されているとのこと。
ハイダラバードはまた、ダイヤモンドでも有名な場所です。今でこそ、インドで産出はされていませんが、ダイヤモンドは約5000年前に、ハイダラバードのゴルコンダという場所で発見されたのが最初だそうです。
以来、インドは18~19世紀に、南アフリカやブラジルでダイヤモンドの鉱脈が発見されるまで、唯一のダイヤモンド産出国だったとのこと。
エリザベス2世の王冠に輝く巨大なダイヤモンドも、かつてこの地で採掘されたものだそうです。
さて、ダイヤモンドの話はまた別の機会に譲るとして、真珠。
数年前、夫の出張に伴いハイダラバードを訪れた際、その真珠製品の種類の豊富さとお手頃な値段に感動しました。
店では、真珠が無造作に、ジャラジャラと置かれています。品質はピンからキリまで。これらは、「そこそこ」の品質のようですが、それにしてもこの扱い。ダイナミックというか、雑です。
好みの大きさの真珠を、好みの長さにしてオリジナルを作ってもらうこともできます。
店の一画では、職人さんがせっせとネックレスを作っています。非常に「インド的」な光景です。
店の兄さんによると、真珠選びのポイントは、
・サイズ:大きい方が高級
・形:球体、楕円、半円などがあるが、きれいな球体(まんまる)が高級
・色:透き通って、色合いが均一な物が高級
とのことで、その他、傷の有無や色の深み、光沢なども大切だとのことです。
つまりは、平べったかったり、形が悪いものは、廉価で入手できるとのことなのです。
このときは、シンプルなイアリングを購入しようと思っていたのですが、1つ、100ルピーとあります。100ルピー?! 200円?!!
確かに、これもまた「雪見だいふく」的に平べったいイアリングですが、それにしても安すぎて、「本物?」と疑り深くなってしまいます。
これらは真珠貝。一つの貝からは、大小さまざまな、形もばらつきのある真珠が40個ほどとれるそうです。そう聞くと、形が悪いものが安いというのは納得できるのですが、
「偽物と本物はどうやって見比べるの?」
それでもしつこく尋ねるわたしに、兄さんはカッターナイフを取り出して、商品の表面をガジガジと削り始めるではありませんか!
インドの商売人とは、こういう「体当たり」なセールスが好きなようで、お客であるこちらの方が「もういいから!」と、慌てさせられます。
それはそうと、本物の真珠は削っても傷がつかず、光沢はそのままなのだとか。
と見せられても、プチ老眼な身の上。なにがなんだかわかりません。というか、こうなったら、それがたとえ「偽物」だったとしても、200円は破格値です。見た目が気に入ればそれでいいや、という話です。
日本では、御木本幸吉氏によって開発された養殖真珠の、ともかくは「まんまる」な球体が「真珠としてあるべき形」と捉えられているがゆえ、半円や楕円は、「まがいもの」に見えてしまうのですが、イアリングなら、むしろ雪見だいふくの方が、おさまりがよいというもの。
ちなみに真珠は100g単位で値段が決められているとのこと。上の写真は、重量を測定しているところです。
写真にあるような小振りの真珠だと、1gあたり150ルピー程度でしたが、大粒の場合は、400ルピー、500ルピーと、値段も上がります。あくまでも数年前のデータですので、今はまた価格が変動しているかもしれませんが、いずれにせよ、リーズナブルです。
どうです? インド。いいことばかり書いていると、本当にいい国のように思われてしまいそうでいけません。とはいえ、魅力は本当に尽きないのです。
高級ホテルの真珠専門店には、タヒチ産の高級黒真珠ネックレスなども見られました。これらはさすがに「いいお値段」でしたが、他国に比べれば、かなりお手頃だと思われます。
ちなみに、ハイダラバードの旅の記録については、以前、「ビリヤニ(インド式炊き込みご飯)」を紹介した時にもリンクを載せておきましたが、改めて以下に記しておきます。
どうぞ、ご覧ください。
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