昨日バンガロールで訪れたNATURE BAZAARのレポートを。ガーデン用の家具を探しにファニチャーフェアへ赴いて帰路、 "DASTKAR: BANGALORE NATURE BAZAAR 2010" の文字が目に飛び込んできました。
なにやら魅惑的なムードが漂っています。急遽、ドライヴァーにUターンを頼み、会場へ赴きました。
会場に入るなり、ポップなテキスタイルに出迎えられます。一番上の写真がそれ。このDASTKARオリジナルの商品、個性的なデザインのバッグがユニークで、実はムンバイのクラフトフェアでも「お買い物バッグ」を購入していたのでした。
小さな飾りなどが利いていて、なかなかにおしゃれ。写真の黒い柄物バッグも、葉っぱの飾りがついていてキュートです。
わたしが持っているバッグも丈夫で重宝しています。個人ブログに紹介していますので、どうぞご覧ください。
■宝飾品を学ぶ@INDUS/工芸品を求む@アート祭 (←Click!)
さてさて今日も、インド各地からの手工芸品が結集しています。NATURE BAZAARと言うだけあって、手織りや手染めの、しかも自然の素材を用いた「ナチュラルな商品」が中心です。
こちらはおなじみ、サルワールカミーズの仕立て布(マテリアル)。手紡ぎ糸、手織り布の素朴な質感です。比較的薄く、コシのない布ですが、着心地はよさそう。
手紡ぎの絹糸で織られたロウシルク。触感は粗いものもあり、肌触りはあまりよくないのですが、しかし見た目の風合いがよく、インドでは非常に一般的な素材。
これはデュパタ(ストール)ですが、男性用のクルタ(トップ)などにもよく使われる素材です。
本日わたしが気に入ったのはこのブース。ヴァラナシ・シルク(Varanasi silk)の店です。
インド北部ウッタル・プラデーシュ州で産されるシルクのことで、この地のサリーをはじめとするテキスタイルは非常に有名です。ベナレス(Benares)とも呼ばれています。
あちこちの展示会や店舗で目にするなじみのある絹織物ですが、そのときどきによって目に留まるものが異なります。
壁に掛けてあるものは、たいていサルワール・カミーズのマテリアル。クルタ(トップ)用の布にデュパタがかけられています。
色の組み合わせは斬新な物も多く、日本人のわたしにはとても着こなせないと思える派手な物が少なくありません。
日本ではほとんど目にすることがなさそうなベイビーピンクの衣類などを、普通にすんなりと着こなしている人もよく見かけます。
色彩感覚や、似合う似合わないの尺度は、人種によって本当に異なるものです。
ヴァラナシ・シルクでよく見かけるペイズリー柄などの布。これらは色合いが落ち着いていて、光沢、質感ともに高級感が漂います。
多くの布の海を前にして、泳いでばかりの視線を定めつつ、自分が好きだと感じる布を選ぶ。これもまた、一つの訓練のようであると、いつものことながら思います。
今日のわたしの目に留まったのはこの布。サリー用のシルクです。
グリーンを基調とした、地味ながらも上品なデザイン。しかしペイズリーが「ありがち」な雰囲気なので、今ひとつ。次に開げてもらったのは……。
こちら。ブルー、ホワイト、ゴールドがバランスよく調和し、気品のある色柄です。眺めているだけで、幸せな気持ちにさせられる布。
とても気に入ったので、一応、身体に巻き付けて鏡を見てみましたが……。なんとなく顔色が沈んで見えて、自分に似合うのか似合わないのか、よくわかりません。
たとえ布を気に入っても、似合わなければ話になりません。うっかり勢いで購入して、ほとんど着用しないサリーがクローゼットに眠っています。
「絶対に似合うぞ!」と確信できないもの意外は買わないぞと決めたものの……今こうして写真で見ると、やっぱりきれい。好きな色柄です。
これはベンガル地方伝統のカンタ刺繍。刺し子のようなステッチが施されています。もっと込み入った柄物などもありますが、これはシンプルなもの。
■コルカタ出張最終日。この街らしさを、買いに行く。(←Click!)
この藍染めは、非常に丁寧な仕上がりで、手紡ぎがやさしげな触感です。
小さめのストール。無地の服に軽く巻き付けるのにいい感じです。しかし上質なだけあり、これはなかなかに高価でした。
品質のよさを「蚕(かいこ)」まで遡ってアピールしているこのブース。ロウシルクの極み、ともいうべく、色染めもしていない、生成りの絹の味わい深さが伝わる大小のストールが見られます。
これは上手に使いこなさなければ、単に「薄汚れた手ぬぐい?」に見えてしまいそうです。
この日、出合えてうれしかったファブリックの一つ、MALKHAの製品。つい先日、知人のジャーナリストがmintという経済誌のコラムに、この商品のことを取り上げていたのです。
彼女が気に入ったというこの布製品。伝統的な手織りによる綿の肌触りのよさ、やさしげな質感を彼女は力説していました。
インドだけでなく、最早、亜熱帯と化した日本の夏。このような柔らかで風通しのよい素材で作った衣類を身にまとえば、きっと体温もす〜っと下がることでしょう。
寝間着にもよさそうです。……やはり、これもほしくなってきました。
■Weaving a revolution, one piece at a time(知人の記事)
その他、目に留まったものを書いていたらきりがないので、取り敢えず、写真と簡単なコメントを。
絞りのシルク。インドではアイロンをかけて伸ばして着用しますが、わたしはアイロンを控えめにしてもらい、絞の質感を残す感じで着用しています。
これは何ですか? と尋ねたら「モバイル・テンプル!」とのこと。携帯寺院。ヒンドゥー教の神々がおさめられています。ユニーク! 写真を見ていたら、これも欲しくなってきました。
最近、我が家御用達のオーガニック野菜専門店ERA ORGANICもブースを出していました。
こちらはグジャラート地方のカッチ刺繍のブース。カッチ刺繍の小物は我が家でもクッションカヴァーや壁掛けなどを愛用しています。
比較的落ち着いた色合いの、丁寧な刺繍が施されています。ちなみにわたしのお気に入りは、ムンバイ在住時に時折利用していた店、SHRUJANという店です。
最近、バンガロールのサフィナ・プラザにも専門店がオープンしました。日本へのお土産にも好適な、質のいい商品が揃っています。