という声が聞こえてくるようでしたので、早速、布の写真をご紹介しましょう。
膨大な展示物の中から、ほんの断片、氷山の一角を撮らせてもらったばかりなのに、大量の写真。
従っては、2回にわけて、ご紹介したいと思います。まずは、シルクマーク協会の展示物を見学。蚕や蛾だけではなく、仕上がったものも、ちゃんと展示されているんです。
まずはおなじみの絞り。TIE AND DYE。インドではバンダーニ (BANDHANI)と呼ばれている手法です。インド北西部、ラジャスターン州やグジャラート州がその産地として知られています。
こちらはオリッサ地方の絣(かすり)。イカット (IKAT)です。
こちらは、絹糸の種類。ひと言でシルクといっても、実にさまざまな種類があることがわかります。
色鮮やかできらびやかな布もいいけれど、糸の持ち味が生かされた、着色されていない素朴な布をまとってみたくもなります。
さて、いよいよインド各地の絹製品に触れ合うべく、中へ入ります。初日の早い時間とあってまだ人は少なめですが、その分、ゆっくりと見られそうでうれしいです。
マネキン。着付けは終わっているものの、ヘアスタイルが未完成……。っていうか、このまま放置でしょうか。サリーにスキンヘッドは、ちょっといただけませんね。
これはここカルナタカ州はバンガロールの絹製品。カルナタカ州では、バンガロールに近い古都、マイソールがシルクの産地で有名です。
ちなみにこのようなプリントのサリーは極めて廉価。数千円で入手できます。5メートルもある布ですから、サリーにせずとも、いろいろな布製品が作れそうです。
こちらはカンタ (KANTHA) 刺繍のブース。日本の刺し子に似た感じのワークです。
これは、西ベンガル州やバングラデシュ、つまりベンガル地方の伝統的な手法です。西ベンガル州にあるコルカタを訪れた時、わたしもカンタのストールを購入しました。
なるたけ精緻な仕上がりの商品を見せてくださいと頼んだら、裏表リバーシブルのストールを出してくれました。
この細かなワークは、スジェニ・カンタ (SUJENI KANTHA)と呼ばれるもの。
あ~。この色も素敵! もっと小さいのがあれば欲しいところだけれど、高品質のものは、いずれも大判のデュパタと呼ばれるストールしかなく……惜しい!
「ほら、見てご覧なさい。他のに比べて繊細な仕上がりでしょう?」
と店のおじさん。単純な模様とはいえ、大きな布に、ひと針ひと針刺していく作業、気が遠くなりそうです。
イカットの、サリーは一枚持っていますが、オーソドックスなデザイン。今日は手の込んだワークのイカットが気になります。
値段の交渉をしているお客さん。ほとんどの店が3割引程度の大幅値下げで販売しているので、いずれの商品もかなりお買い得です。
これは「ダブルイカット」と呼ばれるもの。あらかじめ経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を染めてから織り上げるものらしく、高度なテクニックを要するそうです。
ああ、しみじみと写真を見ているうちに、この布が欲しくなってきました! もう一度、展示会に行ってこようかしら……!
こちらは、これまでも何度かご紹介したカシミール地方の刺繍製品。サルワールカミーズのマテリアルがあれこれと揃っています。
おっとこのサリー。これはまたゴージャス!!! 全面刺繍が施されています。カシミール刺繍入りのストールやサルワールカミーズは持っていますが、サリーは持っていません。
だからどうなのだ、と自分に突っ込みつつ、目が釘付け。
写真ではよくわからないのですが、このシルク地そのものが、かなり珍しくも上品な色合いなのです。
パープルのようなグレーのようなブルーのような色み。光が当たる角度によって、光沢、色合いが変化し、本当に美しい!! アドレナリンの分泌量が、急激に高まるのがわかります。
というわけで、ちょっと地味な布などを見ながら、気持ちを鎮めます。粗く、しかしやさしげな肌触り。
シンプルなサリーをすっきりと着こなすのもおしゃれ、とわかってはいるのですが、どうしても「インパクトのあるもの」を選んでしまうあたり、まだまだ自分、サリー初心者です。この道は、奥深い。
シンプルで古典的なワークも、色合いによってはモダンに、コンテンポラリーに見えるのがまた興味深いところです。
これは、昨日ご紹介した黄金色の絹糸、ムガ・シルクで織られたサリー。
青と赤の組み合わせは、ちょっと好みではないのですが、こういう布そのものの味わいを生かしたサリーを着こなしてみたいもの。
などと言いつつも、この派手派手艶やかなサリーを見ればまた、引き込まれてしまう……。あ~、もう、いや。
おっとこちらはまたアーティスティックな作品! これはコルカタの業者。カンタ刺繍風だけれど、独自世界が構築されています。
……というわけで、次に続きます。