後日談はまた改めて記すとして、取り敢えずは残りの写真をご紹介しましょう。
上の写真。ウッタル・プラデーシュ州はヴァーラーナスィー(バラナシ) のシルク製品。バラナシといえば、ガンジス川沿いの町です。
「インド人なら誰もが行きたがる」と言われるガンジス川。わたしとて、訪れたいのですが……。
「ガンジス川? 汚いから、行きたくない」
という、非国民とも思える暴言を吐くようなインド人と結婚をしたため、いまだ訪れる機会がありません。
ひとりでも観光旅行に出かけたいくらいです。
それはさておき、このバラナシ・シルクの艶やかさ。どのサリーにも、それぞれの魅力がほとばしっていて、あれもいい、これもいい……という感じです。
しかし、バラナシ・シルクのサリーは、数カ月前に購入したものが一枚あります。まだブラウスを仕立ててもいないうちに、次に行くのは憚られ……。
見るだけ、見るだけ……と通過。
サリーやサルワールカミーズのマテリアルを売る店が大半ですが、こうして布そのものを販売しているところもあります。
ロウシルク(生絹)の素材は、洋装のドレスを仕立てたりするのにも好適。アイデア次第で、さまざまな作品が仕上がりそうです。
昨日ご紹介したものとはまた違った個性です。それぞれの業者、職人が、オリジナリティを生かした作品(商品)に仕上げますから、同じ手法でも印象が大きく異なるのです。
このような単色もまた、上品で素敵です。薄手のシルクの上に、丁寧な刺繍が施されています。
好みではないものも、時にはご紹介。これはバンガロールの業者による結婚式用のサリー。
メリハリの強いヴィヴィッドな色合いは、目鼻立ちのはっきりとしたインドの女性たちに似合いそうです。
またしても、オリッサ地方のイカット(絣:かすり)が目に留まります。単色ながらも上品な色。写真では鮮明に見えますが、実際はやさしいサーモンピンクのような色です。
滑らかでやさしい手触りもまた、そそります。
あれ見せて、これ見せて、と、インドの女性たちは相変わらず、好みの一枚を見つけるのが早い! わたしはいまだ、目が泳いで仕方がありません。
しかも、会場に鏡が少ないことを不満に思っていたのですが、インドの女性たち、鏡などをいちいち見ません。居合わせた女性が得意気に言います。
「わたしたちは、サリーに慣れているから、自分に似合うものがどれかすぐにわかるの。いちいち鏡を見る必要はないのよ」
かっこよすぎます。
わたしには、無理。
選択に迷うわたしに、店の人は、
「中に入って来なさい。僕が写真を撮ってあげるから」
と、手伝ってくれます。
日本の絣のような色合いにひかれたこの一枚。しかし、まとってみると、ちょっと重い印象です。
こちらはクリスマスのような色合い。パルー(端のひらひらした部分)に大きなクジャクが織り込まれているのが個性的でした。
このイカットがまたいい感じ。魚の模様が伝統的なデザインなのだそうです。なぜか聞くのを忘れてしまいました。
え? これで最後じゃなかったの? と思われそうですが……。今日、またしても、行ってしまったのです。
写真を整理しているうちに、「もう一度、行かなければ!」という衝動がこみ上げて来たもので……。
結果、やっぱり行ってよかった!! でした。
また、改めてレポートします。