UBシティの近くにあるブティック、CINNAMON。インドデザイナーズのセレクトショップで、オリジナルのインテリア雑貨やギフトに好適な商品を扱うお洒落な店だ。
ここで、日本人のテキスタイルデザイナー、原口良子さんの展示会が行われるとのことで、赴いた。
20数年前より、インドへ足を運び、さまざまな布に触れ合っていらっしゃったとのこと。インドの伝統的な手紡ぎや手織りのシルクの生地に、日本の柿渋、板締めなどで染めを重ね、色を創造されている。
SIND(シンド)というのが、原口さんの作品のブランド名。今日は店内が込み合っていたこともあり、わたしは試着をしなかったが、何人かのインド人女性たちが着ているのを見て驚いた。
日本人とは異なり、かなり個性的な体型の人たちが多いのだが、原口さんのアドヴァイスに従って選び着ているその服が、なんともしっくりと似合っているのだ。
布の織りの厚みと、色の深さが生かされた、立体的なデザイン。大胆なカットがまた、身体のラインをきれいに見せている。
このところ、自分の色、自分の人生の色、について思いを巡らすことがあった。というのも、5、6年前に買った服が、今の自分に似合わなくなっていることに、気づいたからだ。
自分に似合うデザインや色は、間違いなく、変わっている。
20代後半から30代にかけては、年齢を考えず、ただ好きだと思う物を選んで来た。いや、つい最近まで、そうだった。
しかし、自分が好きな色と、似合う色とは、当然ながら違う。
衣類だけではない。自分自身のテーマカラーのようなものもまた。好みの色。オーラの色。
わたしにとって、かつてそれは、黄色やオレンジだった。
その色の勢いを、ずっと意識せずに持ち続けてきれたけれど、40代の半ばとなってようやく、「見直さねば」と思い始めている。
歳を重ねたなりに、似合う色がある。いつまでも元気溌剌をテーマにしているのでは、痛々しい。だからといって、黒系統の無難な色でお茶を濁すのもつまらない。
つい先日、ムンバイからの荷物が届いたのを機に、クローゼットも整理した。
その際、「痛々しい服」をまとめて箱に詰めた。バザーや寄付に出すために。
これからは、量より質。着心地がよく、色がやさしく、そして自分自身が映える服を選ぶ目を、磨かねばならないような気がしている。
とはいうものの、そう簡単にワードローブを刷新できるわけもなく。「50代まですることの、一つの目標」としよう。
原口さんは今日一日だけ、お店にいらっしゃるとのことであったが、商品は26日まで展示販売されている。もう一度、ゆっくりと訪れてみようと思う。
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