昨日、最後に訪れたのは、我が家への帰路にあるAMBARAというブティック。2000年に創業。古い個人宅を改装した店へは、わたしもバンガロール移住当初から折に触れて訪れてきた。
インドの伝統的な手工芸のテキスタイルなどを販売するほか、不定期での展示会、NGOとのコラボレーションなどが開催されている。入り口の庭はナーサリーになっていて、ここでしばしば、庭用の鉢植えなどを購入している。
昨日から今月末まで開催されているVAYATI WEAVESのテキスタイル展示会が開催されていることを、9年来の友人デヴィカを通して知ったので、初日の昨日、訪れたのだった。
インドの職人による伝統的な手工芸を守り、彼らのライフを支援すべく、数十年に亘って活動を続けているアーティストのデヴィカ。9年前、カシミール手工芸を巡る旅にわたしを導いてくれたのもまた、彼女だ。
以来、ミューズ・クリエイションのチャリティバザールには毎年出店してもらってきていたし、彼女が関わるDASTKARやA HUNDRED HANDSのバザールにも、わたしは必ず足を運び、都度、ブログにレポートしてきた。
わたしがインドの手工芸を語る時、彼女の存在は不可欠なのだ。
わたしがAMBARAに到着したとき、ちょうどデヴィカとは入れ違いだったらしい。VAYATI WEAVESの創始者である若きアントレプレナーのシシーラが2019年に立ち上げたというこのブランド。
インド各地の「若き10人の職人起業家」の手がける作品を販売している。写真のアディティヤとプージャもまた、ともに働く同志だとのこと。
デヴィカは彼らの支援もまた、行っているのだ。
わたしのことは、デヴィカから話を聞いていたらしく、さまざまなコレクションの中から、最新のオーガニックコットンと天然染料によるサリーやストールを見せてくれた。
午前中、SPRING RHYTHMのソナリから、天然染料はむしろ水を大量に使用するので環境によくないという話を聞いたばかり。浅薄なサステナブル志向は危険であるということは、手すき紙工房の「BLUECAT PAPER」を訪れたときにも痛感したこと。
ゆえに、アディティヤにその点を聞いたところ、確かに天然染料で染める場合、水を大量に使うからこそ、少量ですむ技術を研究し、作ったのだという。故に、色がどうしても浅くなってしまうのだとか。
なるほど、興味深い。そのあたり、詳細を取材したいものだ。
アディティヤは日本の伝統的なテキスタイルにも強い関心を持っているようで、日本へ行くのが夢なのだという。
不易流行。若き日印の職人たちをつなぐことができればと、実はロックダウンに入ってから思う機会が重なっている。
徐々に実現したいとの思いを新たにする。
さて、せっかくなので、気に入った一枚を購入することにした。サリーはもう山ほどあり、着尽くせないので、当分買うのはやめようと思っていたのだが、若い彼らががんばっている姿を見ていると、応援せずにはいられなくなる。
鏡の前に立ち、その場で纏ったら、3人揃って「すごく似合います!」「サリーがとてもお似合いですね!」「毎日サリーを着たらいいのに!」と、目を輝かせてやったら褒めてくれる。
非常に、いい気になる😸
実は今日もこれから、サリーを着てお出かけだ。
SAREESのユニットも組んだことだし、今度こそ本気で、しばしばサリーを着ようと思うのだった。またしても、一過性の衝動になるかもしれないけれど。
気軽に着れるよう、まずはほとんどが「パツパツ」となってしまったサリーのブラウスのお直しをしなければ。
ちなみに写真のサリーが購入したもの。まだブラウスの共布がくっついたままなので、近々テイラーで仕立てる予定。パルー(ひらひらの部分)の素朴な刺繍やミラーワークもかわいい。
わたしが選んだこのサリー。シシーラがデザインしたもので、実は朝、デヴィカが着ていたらしい。この写真を見たら彼女、きっと驚くに違いない。明日また再訪し、デヴィカに会うことにした。
楽しみだ。