初めてサリーを着たのは20年前。ニューデリーで結婚式を挙げたときだった。
その後、2003年にインドを再訪した際、サリーの魅力に引きつけられた。以来、各都市で、数え切れないほどのサリー店を訪れ、無数のサリーを目にしてきた。
わたしにとっての「第一次サリーブーム」はその後、2005年にインドへ移住してから何年か続いた。2008年からの2年間、ムンバイとバンガロールの二都市生活をしていたころがピークだったか。
ムンバイでは、今でも愛着ある何枚ものサリーを購入した。昨日着た、この絞り染めのサリーもそうだ。しかし、サリーを着用する機会は年々減り始め、伴って購入も控えてきた。
我がインド友らは、祝祭や結婚式など「ハレの日」以外にサリーを着る人は少ない。日本人であるわたしが、しばしばサリーを着ることに、違和感を覚えていた。
ゆえに、『インドのテキスタイルとサリー講座』を実施し、折に触れてミューズ・クリエイションのメンバーとサリーを着てランチ会をするときなど、限られたときだけの衣類となっていた。
昨年、ヴァイオリニストのEMIKOさんとユニットSAREESを結成し、サリーを着るようになって改めて「タンスの肥やし」にすることの惜しさを感じた。
もうすでに何年か前からは、サリーのリヴァイヴァルなトレンドが見られはじめている。サリーを超えて、インドのテキスタイルの歴史を知るのもまた面白い。「布を巡る日印の交流史」の深さもまた尽きず。
眠ったまま放置していた「極上の書籍」2冊もまた紐解きつつ、これから少しずつ、布の情報を整理しようと思う。
日々の記録を記した『インド百景』以外にも、過去の記録を発掘してまとめた『深海ライブラリ』や『マルハン家の食卓』など、複数のブログを書いているが、猫ブログほか、更新が滞って放置しているブログも少なくない。
中でもインドのファッション事情を整理していたブログは、2015年で更新が止まっている。手始めに、ここに関連情報を転載しつつ、これから少しずつ、まずは自分が着ているサリーの情報から整理していこうと思う。
ちなみに昨日着ているこのサリーは、ムンバイで2008年に購入したもの。「絞り染め」である。英語では、Tie and Dye、インドでは、バンダーニ (Bandhani)と呼ばれる。主に北部インドのグジャラート州やラジャスターン州、パンジャーブ州で作られている。
どの伝統的な手法をとっても「紀元前数千年前」的な記述が出てくるからもう、本当に、「遥かな気持ち」にさせられるばかり。
このサリーを購入した時の記録(2008年8月13日)もまた、ブログに記している。関心のある方はぜひ、ご覧ください。
🥻インドの衣文化 〜布、サリー、ファッション〜
➡︎ https://museindia.typepad.jp/fashion/
🥻絞り染めの海に、ひととき耽溺す/昨日着用サリーを購入したときの記録(2008年)
➡︎ https://museindia.typepad.jp/fashion/2008/08/shibori.html