ミューズ・クリエイションでは毎年9月、「ミューズ・チャリティバザール&コンサート」を開催してきた。しかしパンデミックに伴い昨年はオンライン・イヴェントを中心とした「ミューズ・チャリティフェスト2020」に移行。さまざまなテーマでの動画を作成してきた。
中でもミューズ・クワイアのピアノ伴奏担当だったヴァイオリニストの恵美子さんとのユニット「SAREES」は、イヴェントを終えたあとも続いていて、今回で9回目となる。
自宅に引きこもる日々が圧倒的に増えた中、わたしにとっては、歌や踊りがかけがえのない気分転換になっている。もちろん、自分のためだけに歌うのもいいけれど、こうして動画にあげようと思うと、ダンス同様、何度も練習もするし、少しずつ成長している気がするのがうれしい。
使用機材はiPhoneとマック搭載のGarageBandだけというミニマムな環境ながらも、やたらと幅広いジャンルのさまざまな曲を楽しめている。ちなみに今回の『アイノカタチ 』は恵美子さんの提案で決めた。MISIAが開会式で「君が代」を歌う前である。そこはかとなくタイムリーであった。
今回は、Ave Mariaでも参加してくれた、やはりメンバーだった亜沙美さんがピアノを伴奏してくれている。贅沢すぎるカラオケ状態だ。今回のW恵美子は、同じサリーを「異なる着付け」で演奏。サリーには、その土地その土地によって数多くの、異なるサリーの着方があるのだ。
右の恵美子さんのサリーは、コーヒー豆の産地として有名な、ここカルナータカ州のクールグの女性たちの着方だ。パルー(はらりと肩から落ちる部分)が前に来ている。
以前、クールグを訪れたときに、なぜこういう着方になったのかと土地の人に尋ねたところ、「遠い昔、洪水が来て女性が溺れそうになった。水から脱出した時、パルーが前に来ていて、それがきっかけで、この着方が定着した」的な話をしてくれた。紙芝居でも作れそうなお話だ。
さて、今回、恵美子さんとわたしが着用しているのは、どちらもカシミール地方のアーリ刺繍が施されたもの。ムガール帝国時代にペルシャからもたらされた技術で、花や植物など、カシミールの美しい自然美をモチーフにした柄が多い。
SAREES。過去の曲も、ぜひお聞きいただければと思う。
(1)『いのちの名前』
(2)『ユー・レイズ・ミー・アップ』You Raise Me Up
(3)『カブトムシ』by AIKO
(4)『Your Song 僕の歌は君の歌』
(5)『灰色と青』by 米津玄師 (+菅田将暉 )
(6)『旅路』by 藤井風
(7)『アヴェ・マリア』(シューベルト)
(8)番外編『サクラ色』アンジェラ・アキ(カヴァー)
(9)『アイノカタチ 』by MISIA