フォート地区の南に位置するカラ・ゴーダ (Kala Ghoda)へ足を伸ばせば、それまでのビジネス街の様相に、アートやファッションの香りが加わる。 この界隈には、美術館やアートギャラリー、教育機関などが点在。毎年2月にはカラ・ゴーダ・アート・フェスティバルが開催される。
わたしもムンバイ在住時、訪れたことがある。アーティストや職人が集い、オープンエアの広場で作品が展示即売されていた。現在の催しはどのようなものかわからないが、かつてよりも賑わっていることだろう。
路地には、雑多な商店とハイエンドなブランドのブティックが混在していて、事情を知らない人には、なにがなんだかわからない街並みだ。デリーやムンバイベースのデザイナーによる豪奢なファッションがディスプレイされている横に、薄汚れた工具店や金物店、リサイクルショップなどが隣接していたりする。
1杯10ルピーのチャイを売るチャイワーラーの背後に、1杯200ルピー、300ルピーのチャイやコーヒーを出す店が立つ。無防備に駐車されたメルセデスやBMWのボンネットに、薄汚れた野良猫が微睡む。