日本で働く日本の人々は、一般に「週休2日制」で予定を立てるだろう。その感覚のまま、インドで暮らし働いたのでは、不都合が発生する。
「インドでは、週休3、4日制と考えて、スケジューリングした方がいいよ」
「お祭りシーズンに突入する9月以降は、週休5日制状態だね。いや、大袈裟じゃなく」
「むしろ年末まで、休みの合間に仕事をしてるみたいな感じ?」
……と、インドに来たての人たちには説明してきた。心構えがあった方がいいからね。
そんな次第で、世の中が動いているんだか止まっているんだかわからないインドの昨今。このまま来週末からのディワリに突入し、どっぷりとお祭り気分に浸り続けることになる。
昨日は9日間続いたダセラの最終日かつハイライトであり、休日だった。我々夫婦は特にプージャー(儀式)をすることなく、ほぼ自宅で過ごしたのだが、わたしは一昨日、思いがけず、プージャーに立ち合わせていただいた。
午前中は、最近参加しはじめた「勉強会」に参加。北東インドでNGOを運営する夫妻の話を聞き、強い感銘を受けた。詳細を記したいところだが、その「勉強会」はコンフィデンシャルな部分が多いので、どの程度を公表していいのか再確認をしたうえで、問題がなければ同団体の活動についても後日紹介したい。
さて、その帰路、久しぶりにコマーシャルストリート界隈を歩く。その際、英国統治時代の1869年に創業した由緒あるジュエリーショップ、C.Krishniah Chettyが目に留まった。コマーシャルストリートにある古い店舗は創業店で、現在は、銀製品だけが販売されている。
実は、先週の金曜日、友人宅に招かれた際、同社の創業一族でディレクターのTriveniに会い、彼女から、同社のミュージアムがオープンすると聞いていた。場所は、コマーシャルストリートから少し外れた場所に、2008年にオープンした同社のメインビルディング。わたしがミュージアムに関心を示したら、グループでのツアーも歓迎だから、いつでも声をかけてと言ってくれていた。ゆえに、早速すぎるが、立ち寄ってみることにしたのだった。
アポイントメントもなしに、急に訪れるのは少し憚られたものの、店頭にはクラシックカーが並んでいてお祭り&歓迎ムード満点だ。店内に入ると受付スタッフに声をかけられたので、上記の件を伝えたところ、Triveniにつないでくれた。ちょうどプージャーの最中だということで、わたしも招き入れていただく。本来であればサリーなど正装であるべきところ、カジュアルすぎる服装で恐縮だったが、運良く立ち会えて光栄だった。
その後、近々公開されるというジュエリー・ミュージアムへ。そこは、主には女性の装飾品としての、煌びやかなジュエリーばかりが展示されている……というものではない。英国統治時代に一族が同店を創業した背景、当時のジュエリーのニーズ、マハラジャ(マイソール藩)のライフスタイルなどをも知ることができる、非常に興味深い展示だった。あらかじめ、歴史を知っておくと、より深く展示を楽しめる。
ミュージアムのスタッフが、1時間以上もかけて丁寧に説明してくださり、思いがけず、有意義な午後を過ごすことができた。写真撮影は禁じられているので、紹介することはできないのだが、巨大な鉱石から作られたガネーシャ像などは圧巻だった。
Triveniから、在バンガロールの日本人の方の見学も歓迎だと言われた。ハイティーなども準備してくださるという。
来年からは、慈善団体訪問をはじめ、工場や工房見学、各種セミナー、ショッピングツアーなど、ミューズ・クリエイション(NGO)とミューズ・リンクス(ビジネス)双方で、同地の日本人向けの各種活動も再開しようと考えている。
ジュエリー・ミュージアムの訪問に関心のある方は、どうぞ坂田までDMをお送りください。開催が決まったら優先的にお知らせします。