😻展示会の様子を捉えた数多くの写真をこちらにアップロードしています。どうぞご覧ください。
https://drive.google.com/drive/folders/1xYLaTK6L155KpYQlVbw4Okk3HvOjzyQv?usp=sharing
【展示会初日を終えて】
今は、16日土曜日、早朝だ。昨日は無事に展示会の1日目を終えることができた。今、なんとも言えぬ不思議な感慨に包まれている。水曜日と木曜日の2日間、新居に引きこもって、展示会の準備をした。10月の、日本への一時帰国の際に購入した中古の着物や帯。そして、母のクローゼットの中のスーツケースに、無造作にしまわれていた、50年ほど前の着物や帯の数々。
いずれも、ほとんどが、一度も袖を通されることのなかった絹の布だ。
1年前の京友禅サリー展示会のときに使用した「特注」のマネキンガールズ5名に登場してもらう。工房で職人さんに依頼した際「ウエストはふくよかに」とお願いしていたのに、いずれのガールズもメリハリの効いたセクシーボディ。果たして彼女たちに着物は似合うのだろうか?
わたしが着物を着たのは、妹の結婚式でレンタルの振袖を「着せてもらった」のが一度だけ。自分ですら、着物を着たことがないのにもかかわらず、練習にと着付けていく。この、巨大な着せ替え人形遊びが、なかなかに楽しい。
ガールズは長身なので、「お端折り」の必要がなく、そのまま身体に巻き付ける。帯も「留袖」を着た「極道の妻」なムード満点の彼女以外は、敢えて見せるプレゼンテーションでダラリと落とす。まるでサリーのパルーの部分のように。
これはこれで、かなりいい。みなさん、とてもお似合い!
今回は「着物とサリーの比較展示会」ゆえ、日本の絞りとインドの絞り、あるいは日本の絣とインドの絣……という具合に、同じ手法で作られたテキスタイルを並べて展示する。そうしているうちにも、どちらが日本で、どちらがインドなのか、わからなくなる。ひたすらに調和するさまが、喜びをかきたてる。
サリーはもちろん、わたしが選んで買ったものばかりだが、母の着物は、祖母と母が選んだものだ。しかしながら、どれもわたしの好みと一致しており、違和感がないのだ。
インダス文明の時代にインドで生まれたテキスタイルが、日本に流れて、さらには日本から逆輸入され、今、ここで対面している。一人黙々と、絹の海に揺蕩いながら、遙かなる時空の旅をしているような心持ちにさせられる。
さらには、家にある「日本の伝統的なもの」あるいは、わたしの個人的な思い出の写真などを引っ張り出して、展示する。飾り付けながら、ほとんど思い出すことのなかった父方の祖母のことを思い出して、目頭が熱くなった。
若かりしころの母に着物を勧めたのは、祖母だ。ここに展示している着物と帯の7割ほどが、母のクローゼットから発掘したもの。この「日本とインドの文化交流」的な催しは、祖母の導きのようにも思えてならない。
京友禅サリー展示会のときと同様、フラワーアレンジメントは、日本の生け花の免状もお持ちのMeghaaに頼んだ。フォトグラファーのNikhilにも撮影を依頼した。 [準備編-1]の写真は、彼が撮影してくれたもの。
わたしの人生にとっても、一つの節目となるこの展示会。写真も記録もしっかりと、残しておこうと思う。
【展示会終了。すばらしい2日間だった】
21歳のとき、大学祭実行委員長を務めて以来、これまでたくさんのイヴェントに携わってきた。特にミューズ・クリエイションを創設してからは頻繁に。
いずれも思い出深いが、しかし今回の展示会は、規模こそ小さいものの、わたしの人生の節目となる、大切なものとなった。
わずか2カ月前のわたしは、着物に何の関心も持っていなかった。しかしながら、10月の一時帰国の直前から、帰国中のわずか2週間の間、いくつかの偶然が重なった結果、わたしは着物の魅力に強く惹きつけられた。
そして、着物の知識が全くなかったにも関わらず、この「着物とサリーの比較展示会」を開催しようと、旅の途中に決意した。
母国である日本の文化と、終の住処となるインドの文化とを視覚的にまとめあげた展示。テキスタイルにとどまらぬ、我が家にある調度品を引っ張り出して、展示をした。その過程はまた、自らの半生を省み、命運について思いを巡らす、精神的に深みのある時間でもあった。
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今回、この展示会に関心をもってくれそうな友人知人ひとりひとりに、WhatsAppでお誘いのメッセージを送った。その数、約140名。大半の友人知人は関心を示してくれ、しかしホリデーシーズンで不在だったり、先約があったりで、来訪できない方も多数。そんな中、44名ものゲストが立ち寄ってくれ、みなそれぞれに「じっくりと」楽しんでくれたのは、本当にうれしかった。
今回の企画は、ミューズ・クリエイションにおける「日本とインドの文化交流」枠で実施したことから、ミューズ・クリエイションのネットワークに参加されている方に声をかけた。やはり一時帰国の方が多かったものの、お手伝いにかけつけてくれた方々のおかげで、展示会はより、豊かに魅力的なものとなった。
幸いにも、茶道をたしなまれ、ご自身で着物を着付けることができる方々がいらしたのは、本当に幸運だった。着物姿の4人の写真など、まるで『細雪』 by 谷崎潤一郎状態だ。意味がわからない方は「細雪(ささめゆき)」で画像検索されたし!
わたしはといえば、やはりYoutubeで着付けを習得することができず、2日間とも、サポートしてもらった。そのおかげもあって、着付けのコツやポイントが随分、理解できた。
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写真をご覧いただければお分かりのとおり、ゲストの服装と展示物とが調和して、違和感がない。違和感がないどころか、ゲストを含めて全体が、空間を美しく構成しているようにも見える。日本人にとっても、インド人にとっても、自国の伝統文化を見つめ直す良い機会になったことは間違いない。
集った方々が、豊かな時間を過ごされたことには違いなく、このような温もりのある楽しい企画を、これからもさまざまな形で実現したいと思った。
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書きたいことは募るが、今日のところは、取り敢えず、膨大な写真をシェアする。絞り込んでなお、80枚。1回の投稿における、Facebookの最大投稿枚数だ。Instagramは10枚。8分割して投稿しよう。なにしろ記念すべき展示会につき、なるたけ、瞬間瞬間をとどめておきたい。
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ところで、どうしても都合の付かなかった友人からどうしても見たいとの依頼を受けたので、展示物は年末まで、片付けずにそのままにしておくことにした。
27日に再び展示会をすることにしたので、ご都合の合う方は、どうぞご連絡ください。