2日間の小規模な追加展示会が、昨日、無事に終わった。本当に、実り豊かに感慨深い展示会だった。
まずは、かつてインド大使として日本に駐在されていたPascal Alan Nazareth氏と、彼の娘のPremila、ご友人のAnitaの3人がご来訪。Alanのお宅には、これまで数回招かれ、Premilaともお会いしたことがあった。デリー在住の彼女は、我々のデリー宅から徒歩数分のご近所さんでもある。
Alanは、当地バンガロールにある日印友好を目的とした「Lotus Chrysanthemum Trust (蓮と菊)」という団体の運営者のおひとり。彼からご依頼を受け、わたしは来年より役員の一人で参加することになったこともあり、この催しにもお誘いしていたのだった。実は以前も、別の運営者からお声をかけていただいていたが、わたしはミューズ・クリエイションも主宰していることから、ご辞退していた。
しかし歳月も流れ、「若手(!)に参加してほしい」との傾向もあるようで、このたびは慎んでお引き受けした次第。実は、毎週火曜日の「女性の勉強会」においても、わたしは「若手メンバー」である。まだまだ、初々しいのである。😄
昨日もまた、参加者には羽織を着用してもらった。サリーやサルワール・カミーズといったインド服との相性が本当によい。二人で写っている写真など、違和感がないどころか、馴染んでお似合いだ。
その後、New Indian Express紙のジャーナリストであるMonikaが来訪。ファッションやテキスタイル関連にも関心があるという彼女は、先日の展示会の様子を、来訪者複数名のInstagramの投稿で知り、連絡をくれた。彼女には、ここでもシェアした展示会開催の背景を記した資料や写真などを送り、電話で10分ほど、話をした。
わたしはてっきり、この追加展示会に来訪後、記事を書いてくれるのだろうと思っていたのだが、彼女は26日に発売された新聞を手にして来訪した。そこには、すでに記事が書かれている。わたしの意図を的確に伝える記事で、感銘を受けると同時にありがたく思った。
実は先日の展示会に、別の新聞社の編集者から取材の依頼を受けていた。こちらは承諾し、時間を取っていたのだが、彼女が送ったのはインターンの大学生。時間に遅れて来たので、他の来訪者と共に、展示内容の説明をしたのだが、取材のメモもせず(録音はしていたようだが)、展示物への関心も示さず、質問もなく、帰った。
手伝ってくれていた友人らも、「え? 彼女が記者?」「誰かの子供かと思った!」と一様に驚愕。改めて電話があり、「なぜインドの布で着物を作ろうと思ったのですか?」という途轍もなく頓珍漢な質問をされ、気を失いそうになった。
編集者に連絡をし、「中途半端な記事を書かれるくらいなら、取り上げないでほしい」と伝えたところ「編集者歴11年のわたしが責任を持って原稿にします」……と言われていたのだが、結局、ボツになった模様。
そのプロセスの雑さには呆れるばかり。とはいえ、これはインドのメディアだけにおける趨勢ではない。日本のメディアの取材依頼において似たようなケースは多々ある。……書きたいことは尽きぬので、割愛。
ともあれ、そのような事件があった直後だけに、本当に取材力と文章力のあるジャーナリストに記事を書いてもらえたことは、うれしかった。彼女とは、共通の関心も多く、話も弾んだ。なお、彼女はオリッサ州出身とのことで、わたしの大好きなオリッサのイカット(絣)を見せて羽織ってもらった。これは、かつてDASTKARのバザールで購入した、オリッサの職人の傑作なのだ。
そして最後のゲストは、前回の「京友禅サリー展示会」に続き、今回もフラワーアレンジメントをお願いしたMeghaa。フラワーアレンジメントの販売やスクールなどのビジネスをしている彼女。今から10年以上前に、日本で小原流の資格を取得され、日本の生け花もできるのだ。彼女のお花のおかげで、会場の雰囲気が格段に華やいだ。
特に打ち合わせをしたわけでもないのに、花とテキスタイルの彩りが調和していたのも、本当によかった。Meghaaには、雑な着付けながらも、着物の試着をしてもらった。洋服のときとは、ガラリと印象がかわって、着物もよくお似合いだ。
諸々、書きたいことは尽きないが、今日はこれから仕事納め。日本の学生たちへのセミナーだ。今日は着物を着なくていいので、楽!
そうそう、昨日着た着物は、先日の日本で購入した中古ながらも新品のお気に入り(しかし、実は小さい!)。型染めという技法の華やかな着物に、スーツケースで半世紀眠っていた母の帯。この総絞りの帯がもう、すばらしく美しい……。
我が夫にとっては、この「かわいらしくて華やか」な着物が一番、お気に入りの様子。確かに渋い色合いのものは、上品ながらも地味ではあるがゆえ。……すっかりと、着物の魅力に引き込まれてしまった。
◉夜空を仰いで送別会。日本とインドに関わる人々と過ごす夕べ。
https://museindia.typepad.jp/2022/2022/03/farewell.html
◉インドの伝統工芸と職人たちを支援し続けるDASTKARの創始者、Lailaを訪ねる朝。
https://museindia.typepad.jp/fashion/2022/10/dastkar.html
💐MEGHAA MODI
https://meghaamodi.com/