昨日、バンガロール西部郊外へ赴いた。開店翌日のIKEAを訪れるためだ。本来、開店間際の場所は混雑するから、避けたいところ。商品はオンラインでも購入できる。しかし、新居のための「実用的な」収納家具など、買う前に見ておきたかった。
インド最大のスケールだという、途轍もなく広大な店舗に入るには、セキュリティチェックやマスクを着用が必須。館内は、平日にも関わらず、大勢の家族連れで賑わっている。今から15年ほど前、インドの各地でショッピングモールが誕生し始めたころは、「観光気分」で訪れる人たちが多かった。しかし、昨日のIKEAは明らかに違った。
ここに来れば、とりあえずの家具調度品がすべて調達できるとあって、真剣に商品を吟味する人たちが多く見られた。インドの家づくりは、極めて困難。分散する業者をまとめて、諸々を手配する労力はかなりのものだから、インテリアデザイナーにコーディネーションを託す富裕層も多い。
中流層が利用する街中の家具店なども、家族経営など小規模のビジネスが多い。キラナ(街中の小さな便利商店)と同様、品揃えも対応も悪くないところが多いが、いかんせん、複数の店を「東奔西走」せねばならず、時間と労力が必要だ。
そんなインドにあって、IKEAの在り方は画期的だと、改めて思う。かなり手頃な予算から、そこそこいいお値段まで、広めの価格設定がされている商品。また、インド製の商品もアピールされ、インドの住宅事情を鑑みた商品のアプローチがなされている。
カスタムメイドの収納棚、キッチンの棚の機能性、エンターテインメント用の設備、子供部屋用の家具など……。
驚くほどに広いフードコートは、学食か社食を思わせる賑わい。それでなくても「人手過剰」なインドにおいて、ここで働くスタッフは軽く1000人を超えているだろうと思われる。
家具店……とは、即ち暮らし。ライフ。地元の小売店への影響。雇用機会の発生……。その背景にも、関心が広がる。インドの人々の「ライフ」の断片を語るべく、昨日感じた諸々をレポートしたいところだが、とめどないので割愛。
ちなみに「街中を東奔西走」する必要はなかったが、店内の広さを身を以って実感。気付かぬうちに、次々と別のコーナーに入り込んでいて、迷宮状態。ここでの買い物もまた、かなりの労力と根気を要すると実感した。
……というわけで、最後は、個人的な思い出話で締めくくろう。
わたしが初めてIKEAを訪れたのは、忘れもしない1997年のニューヨーク。結婚前、夫と一緒に暮らし始めたときに、家具を揃えにきたのだ。すべての家具をわたしが組み立てる羽目に陥った遠いあの日。当時のことを、ちょうど去年のロックダウンの時期、Clubhouseで語りつつ録音し、ポッドキャストに残していた。「54分」のあたりで、夫と暮らし始めた当初の、引っ越しやIKEAで家具を購入した際のエピソードを語っている。自分で聞き直しつつ、だいぶ面白い。
🇮🇳国際結婚、我が家の場合① 出会いは25年前のNY。なぜわたしはインドへ住みに来たのだろう。
➡︎https://anchor.fm/museindia/episodes/002-25NY-ev7hk8
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