季節感崩壊の一枚だ。
約15年ぶりに着る浴衣。しかも、自分が持っていた唯一の浴衣(高校時代に購入)が見つからず、友人が中学時代だか高校時代だかに仕立てたという浴衣をお借りしての着用。
土曜日、ロータリークラブ主催での日印友好のイヴェントがあり、そこでバンガロール在住の日本人女性が「炭坑節を披露する」という話があったことから、わたしも顔を出すことにしたのだった。
ところが1枚持っていたはずの浴衣が見つからず。見つかったとしても30年もの。着られる状態ではなかったかだろう。
バンガロール在住日本人女性のグループ「さくら会」が寄付などでストックしているという浴衣を何着か試させてもらったが、どれも丈が短く、バカボン状態。
思わず、♪まっさかさ〜まに 落ちてデザイア〜♪ (by 中森明菜)と、腰を振りつつ踊りたくなるかのごとく。
丈が長いものが1枚あったが、それは身ごろが細く、思い切り前がはだけてしまう。
サリーと違い、浴衣とは、寸法が肝心なのだということを痛感しつつ、最早ひとりでサリーを着用し、外部の人間としてお邪魔しようと思っていた。そんな折、すでに帰任されたEM子さん(坂田と近い体型)の浴衣を預かっているミューズ・クリエイションのメンバーがいて、彼女経由でその帰任されたEM子さんの浴衣を借りた次第。
これがまたぴったり! しかもコンディションがとてもよい。
たいへん助かったのでありました。
せっかくだから「竹久夢二」的な1枚も撮ってもらおうと思ったのだが……。
抱っこされるのが嫌いなNORAは、苛立って、わたしの頬に噛み付かんばかりだ。
日本からは炭坑節披露と、ロイヤルエコーによる合唱が披露された。
インド側からは、伝統的なインド舞踊のバラタナティアムや、ボリウッドダンスなどが披露され、その後、みなステージで踊り出すという「お決まり」の流れ。なんだかよくわからない感じだったが、楽しい夜ではあった。
ともあれ、今回のイヴェントでの収穫は「いい浴衣を1枚買おう」と決意できたことである。
今まで、「着物の1枚でも着られなくてどうする」と思い、一時帰国の際には買おうと思いつつも、毎年毎年、見送って来た。なにしろ着物はあれこれと準備する小物も多く、敷居が高い。加えてインドの気候にはふさわしくない。
翻って浴衣なら、インドでは年中着られる。しかも着付けが簡単だ。いつまでも30年前の古ぼけた浴衣1枚をなんとなく持っているのではなく、上質な大人の浴衣を、買おうではないか。そうすれば、文化交流のイヴェント時にも、日本人らしい雰囲気を醸し出せる。
というわけで、次回の一時帰国時には、浴衣を仕立てようと決意をしたのだった。できれば日本の伝統的な古典柄のものを。
さて、以下は先日訪れたバザールの様子。市内の教会が会場となったこのバザール。天井の高い教会の、高みから光が降り注ぐ雰囲気がよく、何枚かカメラに収めたので、残しておこうと思う。
慈善団体の子どもたちへのプレゼントに、たくさんの絵本を買った。とても上質な内容で、大人のわたしが読んでも、心を引かれる。
迷った挙げ句、ロウシルクの、天然染料で染められたサリーを買い求めた。柔らかく、着心地がよい。
週の半ば、クライアントの日本人女性2名のアテンドで、久しぶりにアーユルヴェーダグラムへ。仕事ながらも、彼女たちと同じタイミングで自分自身もマッサージを受け、たいへんリフレッシュした。
デリー出張以降、ゆっくりとアーユルヴェーダのマッサージを受けていなかったので、全身にオイルがぐんぐん染み入る感じで、効いた。空気が乾燥するこの時節、お肌の潤いは、心の潤い。カサカサとささくれ立ってはいけないのだ。身も心も。
年末、仕事の合間を縫って、気分転換のお掃除を。ミューズ・クリエイションの作品在庫を収納するクローゼットを掃除していたら、NORAさんが大喜びでやってきた。
猫とは、本当にクローゼットが好きなのね。
ベッドの夫側で寝るのも、彼女の日課になってしまった。かわいくて、起こせない。
電気をつけたら、まぶしそうに顔を隠す仕草もかわいい。思わず触ったら、さっと目覚めて……
「邪魔しないでよ!」と睨みつける。元ヤン、いや、元野良の凄みがきいているNORA。このごろはまた、野良活動が盛んであるだけに、身の安全が心配ではあるが、仕方ない。これ以上、庭の柵を高くするのも無理なので、しばらく見守ろう。