■今日もまた、新しい家電店。バンガロールに日本領事館オープン
本日は、バンガロール在住の日本人女性からなる「さくら会」のランチに参加。EVA MALLというショッピングモールの最上階にあるチャイニーズレストランが会場だ。EVA MALLにあるのはファッションブティックばかりだと思っていたのだが、訪れて驚いた。入ってすぐのフロア全体が、家電店になっていたのだ。
1年余前、ムンバイに開店して話題となったCROMAというハイエンドの家電店で、3カ月前にオープンしていたらしい。CROMAの母体は、インド最大の財閥(コングロマリット)TATA GROUP。品揃えは昨日のRELIANCEと大差ない。
2年前にこのような大型家電店が存在していれば、移住もずっと楽だっただろうと思わずにはいられない。冷蔵庫も洗濯機も、テレビも電子レンジもグリルもなにもかも、ここでまとめて購入できるのだ。個人経営の家電店を転々として好みの機種を探し求めた日々が、まるで昔日のごとく、である。
ところで、バンガロールにこの1月、日本領事館がオープンしたらしく、領事夫人とスタッフの女性がランチに参加されていた。インドにおけるバンガロールの位置づけが、日本にとってもいよいよ重要なものとなってきているように感じる。近い将来、日本からの直行便が就航するようになるかもしれない。
■ゴールドのペンダント。勘弁してほしい授与の演出。
昨日、Reliance Time OutでDVDや文具を購入した折、ゴールドのジュエリーが当選するというクーポンを貰ったので、名前と電話番号を記して抽選箱に入れておいた。2時間に一人、当選するとの触れ込みで、しかし商品のペンダントはインドにしてはかなり小振りで地味である。欲しくないかも。と思いつつ、店を去ったのだった。
昨夜、Relianceのスタッフから電話があり、ゴールドペンダントが当選したという。多くの人に当選させて、顧客を確保しようという戦略に違いないと感じられたため、素っ気なく対応していたのだが、しつこく「おめでとうございます!」を繰り返す。
いつ取りに来てもらえるか、これまたしつこく聞かれるので、「わからない、1週間以内に行けたら行く」と言って電話を切ったのだった。
今夜、PWG (Professional Women's Group)の会合が、ちょうどカニンガムロードで開かれるため、ついでに立ち寄った。クーポンを渡して引き換えてもらうだけだろうと思いきや、なにらやスタッフ数名があちこちへ駆け出してゆき、慌ただしい。
まずは数名のスタッフが、金屏風ならぬ、社名ロゴ入りの大きなパネルを運んで来た。カメラを手に持ったスタッフもいる。次にマイクを持った社員が一人が現れ、そして声高らかにアナウンスを始めた。
「ご来店のお客様! これからゴールドのペンダントが当選なさった幸運な方、え〜、ミホ・マルハンさんへ、賞品の授与式を行います。どうぞグラウンドフロアへお越しください!」
ちょっとちょっと、待ってよ! 恥ずかしすぎる! やめて〜!!
と、思うも、この阿呆な展開のあまりのおかしさを、見守りたい気持ちもある。お客は素通りしていくものの、「過剰人員」につき、スタッフは大勢いる。その大勢のスタッフが一斉に周囲に集まり、みなわたしに向かって満面の笑顔だ。おかしすぎる。
やめて〜! と言いながらも、ハンドバッグからすかさずカメラを取りだし、「これでわたしを撮って」と、スタッフに託すわたしもわたしではある。
「それではこれから、当店のマネージャーが、え〜、ミホ・マルハンさん、ミホ・マルハンさんへ、賞品を授与します!」
クラッカーが鳴り、紙吹雪が舞う。
カメラのフラッシュが光る。
スタッフ一同、万雷の拍手。
この、疑いもなく押し付けがましい、晴れがましさといったら!
まるで押し売りともいえる目出たさの大安売りだ。
当選客が来るたびに、こんなことをやっているんだろうか。なんだか本当に、インド的、である。
と、ここで記憶力のある古くからの読者の方は、思い出されたかもしれない。同じような状況を。そう、あの日も「初めてのお客様」として、マネージャーから「幸運の竹」を贈呈されて、みなに祝福されたのであった。
まったくもって、話のネタが尽きない日々ではある。
そして、これが賞品である。Reliance Jewelsの商品らしい。
一応、22金だ。
インド的には、かなり小さいが、日本的には意外にかわいいともいえるかもしれない。
ともあれ、みんながみんな当選しているわけではないらしい。わたしは一応、幸運だったようだ。
■働く女性たちは、なかなか集まることができない。
夕刻は、PWGの集いに赴く。今日のホストはフィンランド人女性。単身赴任でバンガロールに駐在している。PWGには100名近くの女性が登録しているが、このごろは集まる人数が少なく、今回は10名と最小規模。みなそれぞれに出張へ赴いたり、大切な仕事があったりとで、参加できないようだ。
ひいてはグループの運営も、暗礁に乗り上げている状態。わたし自身、みなの多忙さを見かねて「ホストになるなど、できるだけ手伝う」と言ったところ、なにやら責任者の一人となってしまった。少々肩の荷が重いが、たとえ小人数でも、参加している人にとっては意義深い社交の場なので、なんとか続けられるよう努力してみようと思っている。
さて、今日のスピーカーは心理学者であり、精神科医でもあるインド人女性。31歳という彼女。ベルギーで2年間、英国で5年間働いた後、バンガロールへ来て仕事を始めたという。
しばらくは彼女からのレクチャーを聴き、その後、参加者それぞれが、インドで仕事をするうえでの「精神的な負担」や「日常生活における問題点」など、意見を出し合いながら、考えを分かち合う。
毎回、参加者から学ぶことは多い。異国の地で重責を担う人も少なくなく、彼女たちのタフさや切れのよさに、励まされることもしばしばだ。一方、仕事に追われて日常生活の情報に疎い彼女たちに、わたしが2年間で培った「インド生活情報」が役に立つ場合もある。
彼女たちに比べれば、わたしの仕事環境は、はるかにフレキシブルだ。ムンバイとの二重生活となり、思うように会合に参加できないこともあるかもしれないが、なるたけ積極的に関わっていくべきだろうと考えている。