ドバイの記録を綴らぬままだ。このまま忘れ去ってしまいそうである。正直なところ、なぜ世間がドバイがよいと騒ぐのかが、よくわからなかった。だから、書き残したいという衝動が起こらないのだと思う。
写真は、心にとまった断片だけを切り取っている。確かに「わたしの好み」の風景だ。けれど、わたしがイメージしている砂漠は、敢えて乱暴に、まるでアミューズメントパークの乗り物のような乱暴さで、砂塵を巻き上げながら車を走らせる場所ではない。
参加者をステージに招き入れて、おふざけをしながら踊るベリーダンサーではない。
広大なショッピングモール。きらびやかなホテル。そして人工的なエキゾティズム。
わずか3泊しただけで何を言うか、と言われたら困るのだが、本音である。人それぞれの、好みである。従っては、「わたしの心の琴線には触れなかった」と、しておこう。
それにしてもここしばらくのバンガロール。本当に、どうした天気だろう。また今夜も雨が降っている。先週の木曜から、かれこれ一週間、低気圧がこのあたりを覆っているようだ。爽やかな高原の夏とは裏腹の、湿気が多く、空気が重たい日々が続いている。
外出時。ケララ州出身の我が家のドライヴァー、ラヴィと天気の話になる。
「このひどい雨では、今年のマンゴーは不作でしょうね」
「マダム。マンゴーだけじゃありませんよ。米も、野菜も、これじゃ本当にだめになってしまいます」
実家が農家の彼の言葉は、切実な痛みが伴っている。そうなのだ。南インドの主食は北の小麦粉に対して米。南インドの米は、この時期、雨を受けてはならないようである。
この天気では、人の身体の具合にも影響しそうだ。幸い、わたしの咳は和らぎ、声も少しずつもとに戻り始めているが。
静かな日々を数日過ごす。
夕食を終え、ぼんやりと音楽を聞きながら、天井を見上げ、ゆっくりと回るファンの羽根を眺めながら、やれやれ確かに、わたしは疲れていたのかもしれないとも思う。
それにしても、我ながら回復が早いせいか、もう、じっとしていることが耐え難くなっている。無口でいるのも辛い。
今朝はまた、病院へ赴いたのだった。日曜日、喉の粘膜を検査してもらっていた結果を尋ねに。結果はノーマルだった。ドクターも、金曜日までにはほとんど声は出るようになるでしょうとのこと。
そうなると、俄然、食欲が沸いて来た。急にステーキが食べたくなって来た。病院の向かいにはThe Leela Palace。ここでランチにしよう。
ランチタイムはいつもブッフェだが、しかし今日はステーキが食べたい。メニューには12オンスのリブアイステーキ。これにするか。
いやまて。ここ数日、あまり食欲がなかったのに、急にヘヴィーなステーキを口にするのは、いかにも乱暴ではないか。目の前に出されれば、12オンスを食べ尽くすこと間違いない。
珍しく、かなり迷った結果、やはり野菜などをたっぷりと食べるべきであると考え直し、ブッフェにしたのだった。
しかし食後もまだ、不完全燃焼の感あり。精神的食欲が満たされていない。ワシントンDCの、その名もPrime Ribの、プライムリブが、食べたい!
……。
過去記事のタイトルリストをまとめた。過去の記事を検索しづらいとの指摘をしばしばうけるが、わたし自身、どうすりゃいいのかわからないほど膨大な記録なのだ。
カテゴリー別にわけても、一つのカテゴリーが大きく膨らんで、アクセスするのに時間がかかってしまう。なので、Googleを利用してキーワード検索をするか、このタイトルから内容を察するかして、地道に検索していただければ幸甚だ。
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■過去の記事のタイトル一覧
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