今日も快晴。ランチはマユミさんとダウンタウンで待ち合わせをしているので、サブウェイで出かけようと思ったが、街の様子を眺めながら南下したいと思い直し、タクシーをつかまえる。
車窓からの眺めを楽しみながら、イースト・ヴィレッジへ。目的地は、最近オープンしたばかりで評判の博多ラーメン「一風堂」。
本場博多の店を訪れたことはないので比較はできないが、内装は一般的なラーメン屋のイメージを払拭する、洗練されたインテリア。カウンターのテーブルも広々としていて、くつろげる。お客さんが次々に訪れるので、くつろいじゃいけないんだろうが、くつろげる。
マユミさんとは半年前にもタイムワーナーのBOUSHON BAKERYでランチをご一緒した。相変わらず、お元気そう。日々、PER SEでおいしいパンを焼いていらっしゃるとのこと。
ところで、とんこつラーメン。白丸、赤丸という二種類があったのだが、わたしは白丸を注文。わくわくしながら麺を箸にとり、口に持って行った瞬間、そのあまりにも懐かしいとんこつラーメンの香りに鳥肌がたった。
なんという、久方ぶりの、とんこつラーメン! 味付けは、相当にわたし好みである。いくら食べても太らない体質だったら、替え玉をしたかったくらいである。
サイドで注文した豆腐サラダや豚の角煮も美味。「今日は日本語でゆっくりとお話ししたいから」とホテルに置き去ってきたハニーにも食べさせてやりたい彼の好物であるところの豚の角煮。
12時を過ぎると込み合うとのことだったので、11時半に入店した。その時点では余裕で席を取れたのだが、確かに正午を過ぎたあたりから、気がつけば満席。ニューヨーカーにもすっかり人気の店のようだ。
わたしが上京した当時、つまり 20年ほど前であるが、東京ですら本場とんこつラーメンを食べられる店がなかったというのに、ニューヨークで食べられるなんて。
国境を超えた食世界に乾杯である。
抹茶クリームブリュレというデザートまでも味わって、大満足のランチであった。
食後はスターバックスに場所を変えて、アルヴィンドと合流。
マユミさん(写真右)に別れを告げてのちは、アルヴィンドとSOHOへ赴く。
ここのパンツ(下着)を気に入っているらしく、あれこれと柄をチェックしつつ大量購入していた。
更には、日本の少年マンガのキャラクターが施されたTシャツを気に入った様子。
「あしたのジョー」のTシャツもある。
「僕、これ気に入ったから買おうと思うんだけど、どう?」
彼が手に持っていたのは2枚のTシャツ。
1枚目の黄色。「ごめん、遅くなって!」は、まさにあなたにぴったりだわ! なのだが。
2枚目のそれは……。
に、似合わん。似合わんにもほどがあるが、せっかくうれしそうなのに、「似合わない!」というのも気の毒だ。どうせ部屋着として買うのだし、「いいんじゃない?」と軽く返答しておいた。ら、買っていた。
その後、SOHOで彼のお気に入り<その2>、HUNTING WORLDへ。この店には地下があり、そこにはいつも半額以下の商品がかなり豊富に置かれているのだ。
わたしは「階上の正規販売」にて2度ほどバッグを購入したが、アルヴィンドはいつも地下に直行するのである。堅実なお方なのである。
とはいえ、ネクタイやポロシャツ、バッグ、財布など、高品質のものがとても安くなっているので、穴場と言えば穴場なのだ。かくなる次第で、アルヴィンドは今回もHUNTING WORLDでのお買い物を楽しみにしていたのだが……。
呆然と立ち尽くすアルヴィンド。
衝撃が大きかったようだ。
マユミさんに、今日はこれからどこへ行くの? と聞かれた時、「ソーホーのハンティングワールド」と答え、さらには「ハンティングワールドの地下は、すごくいいんだよ!」と、今まさに所持しているところのバッグや財布を見せて自慢していたのに。
すぐそばにあるアップルストアのコンピュータで他店舗を検索さえする。が、マンハッタンからは撤退したらしく、他に支店はない。
一方、日本にはたいそう支店がある。
アルヴィンド、悔しがるが、仕方がない。
そんな次第で、アップルストアであれこれと商品で遊ぶことしばし。
その後はウエスト・ヴィレッジを歩き、新しくできたフローズンヨーグルトの店(コリアン経営)で休憩。イチゴとマンゴーをトッピングしてもらい、これまたとてもおいしかった。
すでに足が棒状態ではあるが、ふらふらあちこちに立ち寄りながら、今度は再びイースト・ヴィレッジへ。
ランチに続いて新しい店を開拓すべく、おいしいと噂のレストラン、MOMOFUKU SAAM BARへ。ここではコリアンを中心としたアジアのフュージョン料理が楽しめるのだ。
予約を取らないとのことなので、込み合う前にと7時ごろに到着したところ、カウンター席を取ることができた。BGMも賑やかに、カジュアルな店。ドリンクを注文した後、給仕にお勧め料理を尋ねて、いくつかを注文。
コリア風ピクルス(漬け物)にはじまり、ポークバン(またしても豚の角煮風入り)、それからポークのひき肉と韓国の餅入りスパイシー炒め、ビーフのグリルなど。どれも家庭的な味わいで、なかなかにおいしかった。
旅の間は、インドで食べられないものを楽しもう、と思っているのだが、インドで食べられないものばかりがたいそうあるので、厳選するのが難しいというものである。
もう、おいしければなんだってウェルカムである。
旅も残すところ半分。いつもはなんだか、気合い中途半端なままだが、今回は季節柄、マンハッタンに対して意欲的である。こんなときこそ、買い物に、食事に、悔いの残らぬよう楽しもうと思う。