今週もまた、目まぐるしくすぎてゆき、ついには金曜日。しかも5月。今夜深夜、フランクフルト経由でニューヨークへ入る。
バンガロールからニューヨークへ行く便は、ロンドン経由、パリ経由、ドバイ経由とほかにもあるが、ルフトハンザのフランクフルト経由が一番、時間的に便利なのだ。
「空港でフランクフルトソーセージを食べたいから」とか「おいしいビールが飲みたいから」とかいう理由で空路を選んでいるわけはない。などということをいちいち説明することもない。
とはいえ、米国時代のインド来訪の折には、結構楽しんでいたのだ。空港での、朝っぱらからの、ソーセージやビール。あれからもう、4年近くも経つとは……。
ところで日本はゴールデンウィークなのですね。みなさん、よい休暇をお過ごしでしょうか。
インドはゴールデンウィークではないが、昨日5月1日は祝日だったので、アルヴィンドは一昨日、ムンバイより戻って来た。お土産にアルフォンソ・マンゴーを携えて。
そう。インドは今、マンゴーのシーズンだ。市井のスーパーマーケット、あるいは果物屋、あるいは露店で、さまざまな種類のマンゴーを目にする。
先日、スーパーマーケットで数種類を購入したが、どれも今ひとつだった。やはり王道のアルフォンソ・マンゴーを食べたいと思っていた。
アルフォンソ・マンゴーといっても、その年、買う店などにより味わいは微妙に異なり、どこで買ってもおいしい、というわけではない。ちなみにムンバイの近郊で収穫されるアルフォンソ・マンゴーは比較的早い時期の種類。今が食べ時である。
しかしわたしは今シーズン、まだ一度も口にしてはいなかった。一方のアルヴィンドはすでに先週から、ムンバイのホテルで何度もウェルカムフルーツとしてのマンゴーを味わっていたらしい。
本来、ウェルカムフルーツはリンゴやナシやオレンジなど、比較的安価な果物が供されるものなのだが、長居をしている常連客として、「マンゴーを持って来て欲しい」と主張したところ、毎晩サーヴィスしてくれたらしい。なんでも頼んでみるものである。
とてもおいしいマンゴーだったので、ホテルのダイニングに頼んで詰め合わせを作ってもらい、お土産として持って帰って来てくれた次第。市場などで買うよりはもちろん割高だが、買い物に出かける時間はない。きれいにラッピングをしてもらって、やはりなんでも頼んでみるものである。
深夜、その土産物であるところのアルフォンソを味わった。やはり、おいしい!
噂によれば、今年はマンゴー不作の年らしい。雨が多すぎたのも理由だとか。ともあれ、まずは十分に美味なる果実を口にできて、幸せな夜である。
あれこれと、綴りたいこと尽きぬが、荷造りやら片付けやらをせねばならぬ。
でも、一年前の4月に渡米したときのことを思うと、今回は楽だ。あの4月の、なんと濃かったこと!
3月31日に強引に引っ越しをして、それから荷解き、内装工事の仕上げに、シャンデリアの取り付け上海雑技団。ダディマの他界でデリーへ赴き、それからシンガポール経由サンフランシスコ、ヨセミテ行き。よせばいいのに山登りで疲労困憊。
思えば米国出発の日。業者が間違えて黒く塗って来たメタルの柵を、業を煮やしたマダムが自ら白く塗り替えた西日射す夕暮れどき。今、鮮明に思い出されて、あの日の自分のがんばりに乾杯だ。
などと今より大変なときのことを思い出して、楽勝気分に浸っている場合ではない。荷造れよ、我!
ニューヨークからも、機会があれば綴ろうと思う。それでは、行ってきま〜す!