久しぶりに、喧噪のコマーシャルストリートへと赴く。人の波をかきわけるように商店街を歩けば、ある瞬間から一斉に、街のざわめきが加速した。
停電である。停電になると、各々の商店の軒先に置かれた「自家発電装置」が一斉に稼働され、そのモーター音がたいそう賑やかなのである。
左のマネキンの足下にあるのが、その装置である。近寄ってみると、HONDAとある。発電装置とは、自動車やバイクのエンジンなどと、なにか共通の構造でもあるのだろうか。まったくわからないが、思いがけずローカルの必需品にMADE IN JAPANを見つけて、ちょっと驚いた。
こうなると気になって、通りに置かれている装置という装置をいちいち確認してみたのだが、わたしが見た限り、HONDAとあった。さらに気になって、今調べてみたら、こんなサイトを見つけた。
「発電機」と呼ぶらしい。インドでは「日常使い用」だが、日本では「遊びに、仕事に、防災に」らしい。
さて、その後、サフィナプラザをうろうろとし、カニンガムロードまで赴き、用事をすませて夜。
コンチネンタル料理のレストラン、OLIVE BEACHへ久しぶりに赴く。
ここでは毎月第二水曜日にフリーマーケット(蚤の市)が開かれている。
移住当初に数回訪れたきり、しばらく来ていなかったので、出かけてみることにしたのだ。
せっかくの独身週間であるし、フリーマーケットを見た後は、食事もしたい。
知り合いの日本人マダム数名をお誘いする。
以前に比べると出展数は減っているが、それぞれの店が洗練された印象となっている。
右の写真の彼女は、オリジナルのジュエリーを作っていて、自ら販売しているとのこと。
日本の雑誌などを参考にして作品を作ったりもしているらしく、確かに日本人好みの繊細なテイストのジュエリーだ。
わたしは、上の大きな写真の木綿のシャツを購入した。
蒸し暑いムンバイ暮らし対策に、袖なしのシャツである。若干厚手だが柔らかく、着心地もよさそうである。
置かれていたブローシュアを見れば、インド北東部の貧しい地域に暮らす女性たちによって手作りされている衣類らしい。販売元はTHE ANTSSと呼ばれる慈善団体。そういう商品であれば、積極的に購入したいところだ。
見ればインディラナガールに店舗があるので、近々出かけてみようと思う。
さて、わたしのこのサイトを読んでくれている、しかし普段はゆっくりとお話しする機会のなかったお二人と、あれこれとお話しして、実に楽しい夕餉である。
わたしはといえば、モヒトを飲み、マルガリータを飲み、アルコールも回って饒舌に。
最初は一人で出かけようかと思ったが、お誘いしてよかった。
このサイトの中で現れているところのわたし自身と、実在するわたし自身との差異のようなものについて、意外だな、と思う会話もあり、かなり新鮮で面白かった。
自分の印象は、自分が思っているような自分にはあらず。
というような出来事が、最近いくつか続いたので、特にまた、考えさせられたのかもしれない。これだけたっぷりと綴っているサイトであるが、これはわたしの中のごく一部でしかないのは当たり前のことである。
わたしはここで、自分のフィルターを通しての今のインドを伝えられれば、ひとまずは、それでよいのだが、自分の存在を明らかにしている分、慎重にならなければとも思う。
数日前倒しでMさんのお誕生日も小さくお祝いし、いい夜であった。