最終日の今日は、OWCのCoffee Morningに出席するべくThe Leela Palaceへ。渡印当初、近所のアパートメントに住んでいて、エミさんと一緒に遊びに来たマヤと久しぶりに再会。あのころは新婚さんだった彼女も、今や一歳児の母。
トゥルクメニスタン人の彼女は英国人の夫の赴任に伴ってインドに来ていた。
最初のころは、友達もおらず、英語あまり話せず、寂しい思いをしていたようだが、母になったせいもあるだろうけれど、2年半の間にすっかり貫禄がついていた。
当時は言葉の問題もあり、うまくコミュニケーションがとれなかったが、英語もすっかり上達していた。
そのためか、今日はじっくりと話ができた。
思えば12年前。30歳のわたしはといえば、2年半前の彼女と同じ、いやそれよりも英語を話すことができなかった。
つたない言葉を懸命に操るわたしと出会い、「穏やかで静かな語り口調の女性」と信じ込み、しかし歳月を経て、わたしの英語が上達すると同時に、決して穏やかでも静かでもないわたしの本性を知ったときには、すべて遅かったのねマイハニー。
というようなことを久しぶりに思い出す。
そんなことはさておき、彼女曰く、今月一杯でバンガロールを離れ、今度はモスクワ駐在になるという。従ってはここしばらく、あれこれとインドの工芸品などを買い出しに出かけているところなのだとか。
彼女とも、もう二度と出会うことはないのだろう。
Coffee Morningのあと、隣接するLeela Galleriaでウインドーショッピング。帰路、インディラナガールに立ち寄る。目抜き通りであるところの100フィートロードは、移住時の2年半前から恒常的に、あちこちで建築工事が行われており、次々に新しいブティックが誕生している。
まずはジャイプールコットンの店SOMAに立ち寄り、お気に入りの木綿製ナイトウエアを調達。ナイトウエアはSOMA、もしくはANOKHIのものを愛用しているのだが、わたしが好きなタイプの木綿は、薄手で柔らかなものなので、すぐに「古びた感じ」になってしまう。定期的に「客観的な目」で新調せねばならない。
インドに来てからは、木綿のよさを肌に感じて生活している日々である。
さて、昨日フリーマーケットで見つけた店THE ANTSがインディラナガールにあるのをブローシュアで見つけていたので、立ち寄ることにした。目抜き通りから1本奥へ入った住宅街に、その店はあった。
THE ANTS (The Action Northwest Trust)
THE ANTSは、主にはアッサム地方の貧しい村に暮らす女性たちが作る木綿製品や籐製品、陶器類を販売している慈善団体だ。店内は、素朴な手作りの商品が際立つ、すっきりとした内装。
衣類は、昨日購入した物以外に、これといったものがなかったので買わなかったが、ムンバイ宅に好適なテーブルのセンターランナーを見つけたので購入した。
これはインド北東部、ナガ地方(ナガランド)の女性たちの手織り製品だという。織がしっかりとしている反面、手触りが柔らかく、風合いがとてもいい。黒光りするシンプルな陶器も、やさしい感触で、素朴な温もりがあってよい。
これもムンバイ宅に似合いそうだが、割れ物は極力運びたくないので、購入は控えておいた。
貧富の差が激しいインド。昨今の高度経済成長により、その差はより著しくなるばかりの趨勢ではあるが、一方で、さまざまな形で貧しい人々に職業機会を与えるなどの非営利団体が存在している。これはなにも、今に始まったことではない。
国が救援できていない分、現状をよしとしない人たちが、ヴォランティアで組織を運営するなど積極的に動いているケースも少なくない。
以前も記したが、アルヴィンドの祖母が設立し、叔母、そして従兄弟の妻に引き継がれているYAMUNANAGAR WOMEN LEAGUEもその一つだ。
したいこと。したほうがよいこと。せねばならぬこと。この国に住んでいると、その優先順位が錯綜して、しばしば途方に暮れるのだ。
毎度のことながら、自分にできることを、少しずつ。