今週もまた、DVDを借りることにし、夫に意見を聞いたところ、
「Taare Zameen Par、いい映画らしいよ。ウォルト・ディズニーが権利を買い取ったんだって」
とのこと。それは知らなかった。子供向けの上質なエンターテインメントなのだろうか。ともあれ、せっかくだから借りてみることにした。
2007年に公開されたこの映画。街角でポスターを見るたびに、子供向けのコメディだろうと思っていた。街角でよく見かけるポスターとはちなみに、上の大きな写真ではなく、左下の写真。
右にいるのは、ボリウッドの有名俳優、アミール・カーンだ。彼自身が監督、プロデュースし、出演している映画だとのこと。
彼が出演した映画は、これまで2本("Lagaan" と"Rang De Basanti")を見たが、どちらもありがちな「踊って歌って」のボリウッド映画とは一線を画した、メッセージ性の高いものであった。
とはいえ、わたしは彼の特段ファンでもなく、むしろ彼が出ているコマーシャルは好きではないものが多く、彼に対する印象は、あまりいいものではなかった。
それに、この少年。
あまりの前歯の大きさに、これは面白い風貌に見せかけるためにくっつけた歯であり、コメディだと思い込んでいた。
しかし、結論からいえば、この前歯はふざけているわけでも、コメディでもなく、この主演の少年の「素の歯」であった。
英語にするとStars on Earth。日本語では「地上の星」といったところか。
最初のタイトルバックから、その映画のよさが予測された。
機会があれば、みなさんにもぜひ見ていただきたいので詳細は説明しないが、ディスレクシア: Dyslexia(←文字をクリック)の少年を主人公とした物語である。
主人公の少年は、この映画が初主演とのことだが、途中からは前歯のことなど気にならないくらい、自然かつ巧みな演技であた。
一方のアミール・カーンはといえば、ボリウッド俳優ならではの、どうしても過剰で暑苦しい演技が散見されたが、そんなことすら気にならないくらい、よかった。
ありがちな、テーマかもしれない。多分、そうだろう。
このようなテーマの映画やドラマはいろいろあるだろうし、今の日本の人々には、別に受けない映画かもしれない。
とはいえ、もしも機会があれば、ぜひ見ていただきたいと思う。