目に映るさまざまが激しい勢いで変わりゆくインドでの暮らし。変わらないでいた方がいいのに変わるものも多ければ、変わるべきなのに変わらないものも多い。
変わるべきなのに変わらないもののひとつは、土木工事に従事する貧しき人々の姿。相変わらず、素足、素手という、前時代的な様子で働いている。
現場によっては、ヘルメットを被る人を見かけるが、それもいい加減なもの。
まるでプラスチックの洗面器のような、無論、なにも被らぬよりはいいのだろうけれど。
ショベルやツルハシで、少しずつ、少しずつ、掘り起こす。
素手で土砂をかき集め、古びたメタルのボウルにそれらを入れて、頭上に掲げて移送する。
一日の平均賃金が100ルピー、200円程度の彼ら。平均寿命は45歳前後と聞く。地方から出稼ぎに来た彼らは、工事現場の仮設住宅に寝泊まりする。住宅、とは名ばかりの、テントのような、小屋のような、劣悪な環境のスラムである。
車窓からの風景を、眺めているだけでこの国には、無数の物語がある。いや、無数の現実がある。視界に入り込む人間の数の多さ。ひとつもじっとしていない森羅万象。
カフェ・ノワールでパンを買い、ついでにコーヒーを飲み、しばらく原稿の文字校正。
3時過ぎのこのあたりは、ランチタイムも過ぎた直後。
静かで落ち着く。
その後、UBシティにほど近い、バンガロールクラブ(ソーシャル・クラブ)へ食料品の買い出し。
バンガロールクラブには、小さいながらも各種スーパーマーケットがまとまってあるので便利なのだ。
オーガニックの食材を扱うNAMDHARI'Sもあるし、FOOD WORLD GOURMETもある。その他、花屋や日用品店など。
とはいえ、買うのは野菜と果物、そして卵など。インドに来てからというもの、本当に加工された食品を買う機会が減った。
同時に、インドのスーパーマーケットに占める加工食品コーナーの割合はどんどん増えているのだが。
さて、今日の目的は、義姉スジャータが教えてくれていた手作りジャムの調達だった。
帰宅してさっそく味見をしてみたところ、オレンジの風味が新鮮で、とてもおいしい。
ニューヨークへ赴くたび、夫もわたしもお気に入りの、サラベスのジャムを買っていたのだが、もう、あんな重いジャムを持ち帰らずとも、これで十分じゃないか、とさえ思える。
イチゴジャムは、簡単に作れて、しかも新鮮だし。
特定のプロダクツ:商品に拘泥することなく、ライフスタイルが、シンプルに、軽くなってゆくのは、同時に心地がよいものだ。
などと思っている矢先。帰路、見覚えのある看板を発見! ムンバイでお気に入りだったアイスクリームの店がオープンしているではないか!
1984年創業と、ムンバイではやや老舗なアイスクリーム店なのだ。
ヴェジタリアンが多いインドであるから、卵は入っていない。
ナチュラルというだけあり、添加物も入っておらず。新鮮な牛乳と素材だけを用いた手作りアイスクリームなのだ。
しかしその分、さっぱりとして素材の果物などの風味がとても新鮮に感じられる。
インドならではのフレーヴァーが多いのも魅力。マンゴーやチックー、カスタードアップル、パッションフルーツ、ココナッツ、ピスタチオ&サフランなどなど。
今日のところはイチゴとスイカ、そして牛乳味の3種類を購入した。
店主曰く、バンガロールには先月オープンしたばかりとのこと。
わたしが訪れたのはSt. Marks Road (15 16 House Lords) の店だが、コラマンガラ (80 ft . Main Road) にもジャヤナガール(Das Comm. Complex) にも開店したらしい。
バンガロールにはCorner Houseというアイスクリーム店があって、こちらもなかなかに美味なフレイヴァーが揃っている。多分こちらのほうが「濃厚」だと思われる。
ともあれ、NATURALはわたし自身、好みの味なので、とてもうれしい。
■Natural Ice Cream of Juhu Scheme
【140字ずつの備忘録】
カルナタカ州における牛の屠殺が禁止されるらしい。理由はもちろん「聖なる牛」だから。水牛はいいらしい。他州からの取り寄せは可能らしい。飲食店23時半閉店、女子の勤務は20時まで(これは即撤回された)など、相変わらず頑固親父条例炸裂。しかし、かような逆行が必要かもしれぬと思える昨今。
フリーダ・ピントがボンドガールというのは、なんだかピンとこない。洒落ではない。『スラムドッグ・ミリオネア』のヒロインだったが、あまり華を感じなかった。同じインド人女優なら、目元がソフィア・ローレンなビパシャ・バスがよかったなあ。あの小悪魔的、いや大悪魔的ムード、ぴったりだと思う。
数日前。デリーの義父が集中治療室に運ばれた。麻酔を要する歯科治療の数時間後に飲んだ痛み止め薬が反応、急激に血圧が低下、倒れ込んだ。幸い救急車に医師と看護師が同乗、速やかに処置されたため大事に至らず、2日入院で副作用もなくすんだが、恐ろしい。以前飲んだ時には大丈夫だった薬らしいが。
昨年ニューヨークの紀伊國屋で買っていたトーマス・フリードマン著『グリーン革命』をやっと読み始めた。環境問題に関する米国人への提言など。インドの、この呆然とさせられるほどの車両の増加を目の当たりにする日々。十年間の米国生活で見て来た実態。言葉一つ一つが異様なリアリティを伴って迫る。
2.5年前シンガポール空港で買ったデジタルカメラが瀕死状態。日本帰国時に購入するつもりだったが間に合わぬ。3.5年前は選択肢ごく少なかったインドデジカメ市場。調べてみれば今や種類も豊富で驚き。ムンバイに有名店があるらしい。それにしても種類が多ければ多いで、迷いそう。
インド発、元気なキレイを目指す日々(第二の坂田ブログ)(←Click)