思うところあって、YouTubeを検索していて、見つけた。語る安部公房。高校2年。現代国語の教科書で初めて読んだ彼の小説。『赤い繭』。その世界にたちまちひきこまれた。
彼の作品を好む、というところから、自分の嗜好の関連性について、初めて認識したのもそのころ。たとえばサルヴァドール・ダリ。シュルレアリズム。カフカ。チェコ。実存主義。なにがなんやらわからなくても、キーワードだった。
仮面。荒野。大地。占領地。国家。満州。地図。廃墟。記憶。写真。故郷喪失……。
新しいもの好きな彼。日本人で初めてワープロで小説を執筆した作家でもある。ピンクフロイドのファンで、普及する前からシンセサイザーを持っていたという。
発明家でもあった。簡易着脱型タイヤ・チェーンを発明したのも彼だ。
彼のことを、大学の卒業論文に書いた。あれから20年以上がたって、いったい当時のわたしが何を考えていたのか、すっかり忘却の彼方状態であったが、今、この映像を見て、心が打ち震える思いだ。たまらん。
ありがとう、YouTube。ありがとう、アップロードしてくださった人。
それはそうと、安部公房。髪の毛、ふっさふさやね。ロシアの人が被る毛皮の帽子を被ってるかと思ったよ。
それから、今思い出した。1996年。ニューヨークを訪れた年、コロンビア大学でKOBO ABE展があった。安部公房と親しかった文学者ドナルド・キーンによる展示だった。久しぶりに触れ合う安部公房だったが、あれからもすでに14年……。
明日からの高原ステイ。楽しんできます。行ってきます。
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