早くも8月。2010年も気がつけば中盤を過ぎている。
昨夜、夫がハイダラバード出張から戻って来た。2泊3日の滞在中、名物ビリヤニも二度食したようで、満足そうである。いや、当たり前だが、それが目的ではない。
ニューヨーク本社と、ムンバイ、そしてバンガロールオフィスに勤務する社員が、なぜかハイダラバードに集ってのカンファレンスがあるというので、今回赴いていた。
鞄から、社員全員での記念撮影した写真を取り出し、わたしに見せながら、言う。
「この中で、僕がもっともハンサムだよね」
彼に出会って14年になるが、このような自画自賛をする彼を、いまだ「本気」なのか、「冗談」なのか、それとも「適当に」言っているのか、よくわからない。
そのキューピー体型、いや日本でいうところのメタボ体型な自らをして、ハンサムと言い切る勇気。だいたい、そんな容姿の評価は、この記念撮影のテーマではなかろう。
彼は単に、天然なのだろうか。夫とはいえ、彼はインド人。
我が夫ながら、いまだに真意をはかりかねることが多く、日本人の他人よりも、その感性や反応をして「遠いな」と思うことがしばしばある。これが国際結婚というものだろうか。
ちなみに、インド人から見るインド人のハンサムと、日本人から見るインド人のハンサムとは、結構な隔たりがあるように思える。
それは、欧米人男性に、日本人形のような「和顔」の日本人女性を好む人が少なくないという事実に、似ているかもしれない。
さて、来週9日で、夫は38歳に、わたしは31日に45歳となる。出会った当初は23歳と30歳という、初々しかったわたしたちも、なかなかに中年めいてきた。
にも関わらず、夫はといえば、
「今回もさあ、いろんな人から、君は若く見えるって言われちゃったよ。20代に見えるってさ〜」
とご機嫌だ。仕事を持つ男が若く見られてどうする。貫禄があって、少々大人に見える方が得策だろう、と妻は苦言を呈すのだが、本人は全く意に介していない。
まあ、仕事ができれば、見た目が若かろうが老けてようが関係ないのだが、日本人からは実年齢よりも上にみられることの多いわたしとしては、夫とのバランスが気になる。
出会ったころは、間違いなく夫の方が年上に見られたのに、今となっては……。彼はほとんど老けていないのだ。
わたしの場合、顔が老けているというよりも、態度の大きさ、性格や貫禄の有り様が問題なのはわかっている。
先だって、ムンバイをご案内した50代のクライアント氏から、夕食時に、
「坂田さんは、僕より年下とは思えない」
と言われた時には、席を立ち上がって彼の首を締めてしまいそうな衝動に駆られたが、冷静に考えれば、それは褒め言葉なのだ。きっと。多分。間違いなく。しかし、それに対して喜べない、揺れる乙女心である。
まあ、そんなどうでもいいことはさておいて、見た目はともかく、心身の健康的な状態を保っていることがまずは最重要課題である。
●栄養のバランスがとれた食生活
●適度な運動
●十分な睡眠
●緑を見つめる。空を見上げる時間
●自己実現あれこれ
●LOVE
このあたりが、日々の生活にほどよく含まれていれば、ともあれ、有り難きLIFEであろう。
思わず「合掌」してしまいたくなるこの白い布で包まれた箱。いったい何が入っているのでしょうか?
インドで買い付けた商品を、今回初めてEMS(国際スピード郵便)で日本へ送付するということは昨日記した。
商品を梱包し、防水のためにビニール袋で包もうと思うが、生ゴミその他はコンポストというエコロジカルライフな我が家。大きなビニル袋がない。
買い置きもなく、あちこちを探してようやく見つけだして包み、段ボールを適当な大きさに調整してガムテープでぐるぐる巻きにし、郵便局へ持って行った。
「なにか起こるに違いない」
という気持ちを抑えつつ、大丈夫、ノープロブレムだといい聞かせながら列を待ち、ようやくわたしの番。箱を差し出して、「日本へEMSで送りたいんですけど」と言えば、係員がこの箱ではだめだという。
「小包は、白っぽい布で包まれていなければなりません」
布〜? そんなもの、どこにあるの。
「これは十分にしっかりと梱包されてますから、大丈夫です」
「布に包まれているものしか、受け付けられません」
さすが、前時代的郵便局! 確かに布は頑丈だし、エコロジカルかもしれんが、しかし、どうするの? ここに売っているの?
「布はここにはありません。テイラーで梱包してもらってください。この裏の通りに1軒ありますから」
て、テイラー?!
貧富の差を問わず、テイラーメイドの服が主流のインド。軒先でおじさんたちがミシンを踏むテイラーを、あちこちで目にする。しかし、小包作りも彼らの仕事だとは知らなかった。
わたしは用事があったので、ドライヴァーにテイラーで梱包してもらうよう頼み、改めて午後、郵便局を訪れたのだった。
端々が手縫いで閉じられているところが、たまらなくインド。
ちなみに100ルピー。200円でのサーヴィスだ。
インドにしては高い気もするが、布代込みだから、こんなものであろう。
この白い布の上に、油性のマジックで宛名などを書く。
豪快に書ける感じが、結構、楽しくもある。
ラヴェルがはがれる心配もなく、安心感もある。
要領さえ掴めば、これは意外に「いけるかも」などと、たちまちインド郵便局のカルチャーを受け入れている自分にも驚きだ。
無事、日本に到着することを祈る。
ところで、わたしがインドの郵便局に対して好意的でない理由はさまざまにある。かつてムンバイの郵便局で経験したエピソードをここに紹介しておく。今、読み返すに、なかなかに味わい深い文章だ。
[Mumbai] 郵便局。図書館。不可解インド。ナラヤナの本。(←Click!)
本日の食事関係の写真。OWCのコーヒーモーニングのあと、友人らとTHE LEELA PALACE内のインド料理店JAMAVARを訪れたときのものだ。
この店、バンガロールでも評判の高いインド料理の一つで、雰囲気やサーヴィスもよい。わたしは数回しか訪れたことがなく、おいしいということは覚えていたが、味のディテールを忘れていた。
今回、5種類の豆を使ったダルと、パラックパニール(ホウレンソウとカッテージチーズの煮込み)、タンドーリチキン、そしてラムのビリヤニを注文した。
それから、ミントとガーリックのナンも。ちなみにインドのナンは日本のそれのようにふわふわではなく、比較的「みっちり」としている。
料理はいずれも、外食にありがちなヘヴィーさがなく、辛みもなく、非常にマイルドでやさしい味だったのには驚いた。素材の味わいもよく、日本の人たちの口にも合うようである。
注文の際、「オイルやクリームを控えめに」と頼んだせいもあるだろう。
一般のレストランに比べれば確かに値段が高いが、4人でシェアするのにちょうどいいヴォリュームで、いつも利用しているCITRUSのブッフェとさほど変わらない値段。満足度の高いランチであった。