来月、インドの首都であるデリーにおいて、「コモンウェルスゲーム」が開幕する。予定である。デリーの家族に電話などで話をするとき、つい「コモンウェルスはどうなるかしら?」などと口にしようものなら、
「その話は、もうやめて」
と言われてきた。あっちこっちで工事。それも突貫。たまに事故を伴う。渋滞も激しい。あれこれ問題が山積しすぎていて、もう、話すのも聞くのもいや。という風である。
コモンウェルスゲームズ (Commonwealth Games) とは、英国植民地の名残ともいうべく、4年に一度開催される、スポーツ総合競技大会だ。
イギリス連邦に属する、あるいは属していた国が参加。しかし、インドの国民的スポーツである「クリケット」は競技種目に入っていない。
ともあれ、そのコモンウェルスの開催が近づいているが故に、デリーの各所でここしばらく建築工事が行われており、空港などもきれいに生まれ変わった。
しかし、開会を12日後に控え、未だ競技場は未完成。未完成どころか、今朝の新聞を見て愕然とする。メインスタジアムへの歩道橋が、倒壊している……。
写真を見るだけで、胃がきゅ〜っとなる。
見出しにある通り、「恥になる」くらいで済めばいい。選手たちが事故に巻き込まれたりしようものなら、恥じどころか、罪だ。大罪だ。
あらかじめ現地入りした各国代表のコメントがもう、やってられない感を漂わせていて、たまらない。
「トイレがひどい」
「電気製品が危険」
「ゴミの山が至るところに」
ニュージーランドチームは、自分たちで清掃業者を雇ったらしい。選手からは、「競技のパフォーマンスよりも、寝る場所の確保が心配だ」などという声も上がっているようだ。そら、上がるやろ。
にも拘らず、右のおっさん(コモンウェルス開催責任者)の発言。
「我々が恥じるほど、そんなに大きな問題じゃない」
「西洋人と我々は、衛生に関する観念の常識が違うだけだ」
などと、言い放っている。
もう、いや。
訳するのも、いや。
じゃあ、あんたは、野良犬が寝転んだベッドで寝るのか?
あんたの部屋は、野良犬の糞が放置されているのか?
読めば読むほど胃が痛くなる。その様子をして、夫。
「ミホが、胃を痛くすることはないでしょ。ミホには関係ないじゃない! 気に病むなんて無駄だよ」
自分の故郷、デリーが切羽詰まった状況に置かれていても、ちっとも意に介さない夫。その強さ、さすがインド人。
しかしね、わたしは日本人。「恥の文化」がDNAにすり込まれているのよ。こういう事態には、繊細に反応してしまうのよ。
最早、恥を超越しては、いるのだけれど。
翻ってこちらは、昨日の新聞 (TIMES OF INDIA) の裏面広告。新聞をひっくり返して驚いた。なにしろ、新聞がしゃべり出すのだ。
ここに光で反応するらしき装置がくっついていて、新聞をめくると、音声が流れ出すのだ。
昔日本にも、音が出る電報があったが、あれと同じような仕組みだろうか。
あの電報は、今でもあるのだろうか。
そもそも電報が、今でも存在するのだろうか。
そんな話はさておきだ。
なんと不快な広告か。だいたいしゃべる新聞など気味が悪いし、言ってる内容は広告のコピーと同じようなもの。
それよりなにより!
ゴミの多いインドで、しかし資源ゴミとなるべく新聞にこんなものをくっつけては邪魔だろう。フォルクスワーゲン。洗練からほど遠いことをするものだと、呆れた。
「奇抜で楽しい広告! フォルクスワーゲンのクルマ、買いたい!」
という人も、中にはいるだろう。しかしわたしは、個人的に嫌いだ。むしろ企業イメージがダウンする広告だと感じた。などとわたしに言われても、痛くも痒くもないだろうけれど。
ところで今週の金曜は、イスラム教とヒンドゥー教を巡る何十年も続いて来た「ある諍い」に判決が下る日。その諍いについて、記しておきたいことがあったのだが、本日は時間切れにつき、後日に改める。
ともあれ、今週の24日金曜日は、判決の内容次第でテロや暴動が起こる可能性が指摘されている。
インド在住の方、気をつけようがないといえばないのだが、ともあれ、モスクなどの周辺や、超人ごみの中などで、無駄にうろうろしないよう、気をつけた方がよいかもしれない。
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