昨日は、誕生日だった。極めて「インドらしい出来事頻発!」な、誕生日であった。
『キレイなブログ』だけを主に読んでおられる読者の方々は、わたくしのインド生活の「麗しき部分」を主にご覧になっているわけで、時折、「あ〜。誤解されてるな〜」と思う。
事実を綴っていても、どの部分をピックアップするかによって、印象は大いに異なるというものだ。決して嘘ではないのだけれど。
だからといって、敢えてバランスを取るために、ここに「キレイではない話題」を書こうとしてるわけではないのだが、本日の話題は、きれいではない。爽やかな気分を維持したい方は、お読みにならない方がいいかもしれない。
30日から日付が31日に変わるころ、つまり一昨日の夜。ちょうどベッドに入ったころ、午前0時となった。
「お誕生日、おめでとう!」
と、夫。先週は出張続きで、誕生日プレゼントを用意していないということは、わたしも知っていた。その事実をごまかすかのように、夫。
「歳の数だけ、チューしてあげるね」
そう言うが早いか、指折り数えながら、ほっぺたにチューを始める。その姿、まるでキツツキの如く。節分の豆じゃあるまいし、歳の数だけチューなんぞ、いらん!
途中で本人も面倒になったのか、30回程度で終了。
「歳の数だけバラの花束」、とか、「歳の数だけダイヤモンド」、とかならうれしいが、チューはうれしくない。
さて。誕生日の朝。
ところで、「チュー」といえば、ネズミである。うまい具合に話がつながっているのである。
実はここしばらく、ネズミとの戦いが続いている。
雨が多く、肌寒いせいか、外のネズミが、ユーティリティルーム(洗濯機や乾燥機などがある場所)に侵入して来るようになった。
外に生息している分には仕方がないが、屋内に入られたのでは困る。「落とし物」を複数散らかしながら、時にプラスチック製のケースなどをがりがりとかじっていく。歓迎できない。
業を煮やしたわたしは、ポイズン・ケーキ(毒餌)を大量購入。ついでに表面に粘着性物質が塗られている「ネズミ・ホイホイ」みたいなものも購入。
ここ1週間もの間、毎晩、「仕掛けていた」のだが、負け続きだった。ポイズン・ケーキはきれいに平らげられ、しかし毎晩、生き延びている。さすがインドのネズミ、むしろ毒で力をつけているのではないかと思うくらいだ。
さらには、「ネズミ・ホイホイ」の上を通過した形跡すらある。足跡を残して、去っているのだ。たまらん。負けいくさが続いていた、誕生日の朝。
乾燥機の上においていた洗濯籠に、1枚のタオルが入っていた。それをつまみあげたところ、2匹の小さなネズミが!!!!
うわっ!!! と叫びながらも、一瞬、「かわいい!」と思った自分がいや〜っ!!
でかいネズミならまだしも、それは小さく、ハムスターのようで、事実かわいかったのだ。かわいかったが、かわいいなどとは言っておられぬ。
ついに遭遇したネズミたち。毒餌を食べても元気はつらつなネズミたち。この先の戦い、どういう戦略を立てるべきか、きわめて困惑する朝であった。
かくなる次第で、なんとも爽やかさに欠ける誕生日の朝を迎えた我。
その後も、ドライヴァーが急に2、3日の休みをくれと言い始めて、朝からピンチヒッターを探すのに各所へ電話をかけて、てんやわんや。
ドライヴァー曰く、チェンナイに住む兄が入院したのだが、病院に支払う金がなく、届けねばならないとのこと。
今日もらう給料を持って、深夜の列車でチェンナイに向かいたいのだという。このような理由。インドでは珍しくない。引き止めるわけにもいかぬ。
ドライヴァー手配の電話と同時進行で、母をアーユルヴェーダの診療所に送り、それから母のための携帯電話のプリペイドカードを購入すべく、AIRTELのオフィスへ。
携帯電話を購入する人、プリペイドカードを求める人がどれほど多いかということを痛感させられる、込み合ったオフィス。身分証明書と居住所の証明、パスポートサイズの写真を持参すれば、プリペイドカードを得られる。
最低500円程度を払えば、その日からSIMカードを携帯電話に装填して使用できるのだ。段取りの悪い窓口で、しかしなんとか申請を終え、数時間後には電話が使えるようになったのだった。
その後、買い物をし、母を迎えに行き、自宅へ戻り、遅いランチの準備……。
と、雨が降り出しても、洗濯物を外に干しっぱなしのメイド。
「雨が降ってるから、洗濯物、取り込んで〜!」
と叫べば、
「さっきは晴れていたんです」
と、のんびりプレシラ。
さっきは晴れていても、今は雨なんだから、とっとと取り込まんかい!
と思うのだが、少々濡れてしまおうが気にしないところが彼女の個性であり、同時にインド使用人業界のスタンダード。テキパキしすぎる自分が、むしろ「生き急いでいる人」に見えてならない。
夜は、夫が予約してくれていたレストランで夕食。何にしようかしらとメニューを広げた矢先、金曜日訪問予定の慈善団体のマネージャーから電話。
「金曜日は祝日で学校が休みだから、別の日にしてください」
えええ〜っ! もうメールをみんなに送ったし、参加者も募ったのに!!
仕方なく、主要な参加メンバーに電話を入れ事情を説明。来週の月曜日に変更の段取りをつける。やれやれ、帰宅したら、みんなに改めてメールを送らねば……。
と、夫にその旨を話したら、
「来週の金曜は祝日だけど、今週は違うと思うよ」
な、なに〜?!
改めて慈善団体のおっさんに電話をしたら、
「あ、今週の金曜でしたっけ? あれ? 今週は、あ、そうだ3日だ。来週10日が祝日だった。今週なら大丈夫ですよ」
……。
わなわなしても、仕方がないのである。またしても友人に電話をいれ、無駄に連絡が飛び交うのである。
★インド生活教訓:次の行動に出る前に、入念な確認を。
ともあれ、乾杯のワインが届く頃には話もまとまって(というかもとに戻され)、一安心。
おいしい料理を楽しみつつ、穏やかな夕食のひとときを過ごしたのであった。
誕生日にちなんで、もう少し気のきいたことを書きたかったのだが……これがリアルな一日。
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