外出途中、街の随所で見かける怪しげなポスター。このごろは、デジタル出力が進化したせいか、趣向を凝らしたグラフィックデザインの、変なポスターをよく見かける。
カルナタカ州の州知事をはじめとする政治関係者の、かようなポスターはよく見るのだが、それ以外にも「誰?」という人が、街の随所で顔を露出している。
このようなポスター、土地柄が出るらしく、少なくともムンバイでは見かけない類いのもの。州知事らがお好みのポーズは、全身写真で、右脚を前に出し「歩いています」の瞬間を撮影したもの。
以前はチャッパル(サンダル履き)姿が多かったが、このごろは「靴」をはいている場合が多い。
その他政治家は、南インドの映画俳優よろしく、暑苦しくポーズを決めているものなども散見され、最早ポスターの主旨がよくわからない。
さて、本日。外出途中、市街東部にある湖畔の道路で、数枚のポスターが目に留まった。あまりのインパクトに、わざわざ車から下りて撮影してみた。
イスラム教のラマダンあけと、ヒンドゥー教のガネイシャ祭りを同時に祝しているポスター。左のおじさんが、典型的な「立ち姿」のポーズである。
なぜ3枚もの写真を重ねているのかといえば、きっと立体感というか、動きを出したいのだろう。しかし、手前に来るほど小さくなるというのは、いかがなものか。これでは身長が異なる三つ子のようにさえ見える。
というか、変!
で、身分証明書の写真のような右端のおじさんも、いったい誰なのか、よくわからぬ。
さてお次。この巨大な顔写真。Photoshopを駆使して加工されたのであろうか、お肌もなめらか、アップにも耐えられる仕上がりである。こちらはイスラム教、ヒンドゥー教に加えて、キリスト教の聖母マリアの祭りも祝している。忙しい。
彼らはこのUlsoor Lakeを管理する協会だかなんだかの、役員のようである。右上に申し訳のように Keep the Lake Cleanと書かれているが、アピールすべきは自分たちの顔じゃなく、そのスローガンなのではなかろうか。
善人の仮面を被った悪人、いや、悪人の仮面を被った善人。よくわからんが、癖のある顔をした人たちである。
さて、このポスターはもっとも見応えがある。A.R.ZAKIRとは、誰なのか? 今ひとつよくわからんが、政治家のようでもある。
上部には、ソニア・ガンディやマンモハン・シン首相らの顔写真。先方の了承を絶対に取っていないであろう「肖像権抵触必至」の顔写真。
更には下部に、左からキリスト教、ヒンドゥー教、イスラム教、シク教、それぞれの師の顔写真が並び、その下に、WE ALL ARE ONEと書き添えられている。
彼らが本当に、そう思っているのかどうか定かではない。きっと思っていないことであろう。それ以前に、彼らは自分たちがこのようなところで「露出されている」ことを、きっと知らないことであろう。
ところでA.R.ZAKIRとは誰なのか、気になってネットで調べたら、左側、全身写真で俳優よろしくポーズを撮っている男であった。となると右側のでかいおっさんは誰なのか。自分の親父か。
実に、よくわからん、自己満足のためにこそ作り上げたと言わんばかりの、ポスターの数々。最早コメディだ。
コメディといえば、このポスター。我が家の近所に掲げられてはや1カ月。いったいなんなんだと思っていたが、今日、近づいて写真を撮ってみてわかった。
上の方に「8/24/2010 我らが愛すべきリーダー、お誕生日おめでとう」とある。いったいどちらがリーダーなのか。しかも何のリーダーなのか。
察するに、左がリーダーで、右が贈り主か。それはさておき、背後の吠えるライオン(虎?)はなにを意味しているのか。単なる「強き者」の象徴か。もう9月を半ばを過ぎたというのに、いつまで放置する気か。
ほんと、つくづく、変な国(街)である。
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