予定通り、月曜の夜、バンガロールに到着した。今回の旅。わずか2週間、されど2週間。あまりに濃密すぎて、帰国後も脳みそに薄い膜が張り巡らされているような、はっきりしない感覚。
福岡、東京と、「都会」ばかりを日夜彷徨していたせいか、溢れかえる情報の渦の中に巻き込まれてしまったようである。さて、こちらのブログもいきなり日本語復帰。
キレイなブログの「ですます調」が苦手な方、またこちらの「である調」を楽しんでいただければと思う。
最終日、品川のガード下でつけ麺なラーメンを食べたことや、原美術館で一人センチメンタルに浸ったひとときのことや、羽田国際空港でかなり打ちのめされた話などは、マイルドに翻訳されてキレイなブログに記しているので、読んでいただければと思う。
■原美術館とラーメンとカレーでさよなら日本。 (←Click!)
こちらは、帰路立ち寄ったシンガポールの光景。一本早い便でバンガロールに戻ることもできたのだが、しかし途中で「ひと呼吸」をいれたかった。いろいろな、意味で。
シンガポールでの半日の記録もまた、律儀にキレイなブログに掲載している。
■新旧シンガポール経由でバンガロール帰宅。 (←Click!)
2カ月余りの母との3人暮らしを経て、久しぶりに静かな我が家へ戻る。夫と2週間ぶりに再会し、最初の1日2日は、互いに「スウィート」なものの、3日もたてば普段通り、邪険な扱いになってしまうところ、いつもの通りである。
わたしの不在中は、折しも夫の会社の、ニューヨーク本社やムンバイ支社のスタッフが集ってのアニュアル・ミーティングが行われており、数日は団体行動だったらしい。
郊外のコーヒープランテーションを訪れたり、バンガロール市内でも、敢えてホテルに宿泊して皆と行動を共にしたとのこと。楽しかったようで何よりだ。
なにしろ、「寂しがりや」なマイハニー。いろんな意味で、妻は夫を放置しておくのが心配なのだ。帰りのシンガポール空港から夫に電話をしたときのこと。
「今、どこ?」
と問えば、
「ん? バスタブ。リーラの」
と、エコーがかかった返事。今、インドは午後4時のはず。なにゆえホテルの風呂で入浴?
なんでも夕方の打ち合わせの前に時間があるから、ひと風呂浴びていたらしい。一般家庭では湯沸かし使用。バスタブもたまに使うが、湯量に限界がある。湯は、惜しみ惜しみ、使わねばならない。
そんなインド生活にあって、ホテル滞在の醍醐味は、たっぷりの湯による入浴なのだ。
たとえ日中でも、打ち合わせの合間でも、そのチャンスを逃さぬ夫に敬服だ。
「そのブラックベリー、バスタブに落とさないようにね」
と言って、電話を切ったのだった。
「ミホは長寿国の日本人だから長生きするよ。僕よりも」
と、夫は常々言うけれど、このマイペースっぷり。彼の方が長生きするに違いない、と妻は思うのだ。
月曜の夜は、互いに「お土産交換会」を行うなど、それなりに楽しみ、しかしわたしは即就寝。翌日にはOWCのロードトリップで郊外の工場見学へ赴く予定があったので。
インド有数のハーバル・プロダクツのブランドであるHIMALAYA HERBAL HEALTHCARE。ここのプロダクツの多くを、インド移住以来、日常的に使用している。
特に気に入っているのは歯磨き粉。それから抗菌クリームやフットケアクリーム。顔のモイスチャライザーその他諸々。風邪のひき始めにはヴィタミンCをたっぷり含んだサプリメントも飲んでいる。
そんなこんなで、この会社には以前から関心があったので、ロードトリップにはぜひとも参加したかったのだ。
まずはヒマラヤ専属のドクターによるアーユルヴェーダのプレゼンテーションを受ける。ヒマラヤのプロダクツは、アーユルヴェーダの理念に基づいて製造されていることから、その概念を説明された次第だ。
同時に、ヒマラヤの会社案内的なことなどや、商品の説明なども行われる。
アーユルヴェーダに関しては既知の事柄も多かったが、プロダクツの流通などについては、もちろん初めて知ることばかりで興味深かった。
ところでOWCのメンバー50名が参加したこのツアー。プレゼンテーションの質疑応答で、動物実験に関する質問をした参加者がいた。最初に口火を切ったのは、NRI(印僑)らしきインド人女性。
ドクターがラットによる実験について言及したのを受けて、であろう。
「どのような動物実験をしているかどうか、そのあたりをはっきり説明するべきです」
「動物が、どのような実験を受けているのか。苦しめられているのか」
その口調がまた、かなり高慢である。
ドクター(女性)が困惑しながらも、「残虐性のある実験などは、当然行っていません」と答えると、今度は白人の女性が立ち上がって、更に詰め寄る。
「いくら、ハーバルで、自然に近い商品を作っているからといって、動物実験をしていたのでは、問題です。わたしたちは、そのあたり敏感ですから。動物実験をしていると聞いた段階で、購買意欲が失われます」
わたしたち、って誰だよ。一緒にするなよという話だ。
そもそも動物実験って、ある程度は必要でしょう? もちろんそれをやっていないところもあろうけれど、だからって一概に、その姿勢を礼賛する気は、個人的に、ない。
そんなことを言ったら、西洋医学における、人間を使っての臨床試験(治験)はどうなる。無論、人間は自らの意思を以て試験に臨むから論点が異なると言われればそれまでだが。
肉は食べるは、革製品は持つは、西洋医学の薬品を使うは、化粧品は使うはで、動物の命、あっちこっちでいただいているにも関わらず、なんなんだその、「動物実験やってるんなら、買ってあげない」的な態度は。
無論、そういう発言をする人たちは、絶対的な価値観、世界観があるから、反論したところで、水掛け論にしかならないものである。
この手の話(先進国出身者のインドに対する、意味不明に偉そうな態度)は、インドに暮らし始めて以来、ごまんと見聞きしているゆえ、書き始めると尽きないからなるたけ書かないようにしているのだが、このときばかりは、さすがに呆れた。
動物実験の是非はさておき、その「無駄に偉そうな態度」に、わたしは気分が悪かったということを、取り敢えず、書いておきたく。
■帰国早々、工場見学@ヒマラヤ・ハーバル (←Click!)
なにやら信じ難いことに、もう、5年だ。2005年11月10日。米国からバンガロール空港に降り立った。それ以前は「ホームページ」に記録を残していたのだが、インド移住を機にブログを書き始めた。
当時はインド移住に戸惑いを隠せなかったマイハニー。「半年はお試し期間」と、彼は自分に言い聞かせるように始めたインドライフ。
わたしとて、夫を強引にインドに縛り付けるわけにもいかんだろう、ひょっとするとまた米国に戻ることになるかもしれんだろう、との思いもあり、
「今しばらくは、インドにて。」
などという、控えめなタイトルで、ブログを始めたのだった。それがもう、5年もたってしまったよ。まあ、こうなるだろうとは思っていたが、しかし、なにやら感慨深い。
2005年当時の、初々しくも最初っからかっ飛ばしている我がインドライフ。我がことながら、恐るべき順応性。しかも、嫌がる夫をたしなめつつの。
むしろ、インド人にも関わらず、インド到着直後からインド移住を後悔していた夫を引っ張らねばならないという「責務もりだくさんな状況」が、わたしを熱くさせたのかもしれん。
ご興味のある方、どうぞご覧いただきたい。5年前が近くて遠い。懐かしい。なんか、若い。
※当初はバンガロールを英語的に「バンガロア」と発音/表記していたのだが、それはどうにも日本の表記とは異なると途中で判断し、バンガロールにした。
が、インドで、「バ・ン・ガ・ロー・ルッ」とカタカナで発音しても、理解されない。「バンガロァ〜」といったところか。今更ながら、念のため。
■今しばらくは、インドにて。2005-2007(←Click!)
インド発、元気なキレイを目指す日々(第二の坂田ブログ)(←Click)