外出からの帰路、いつものように立ち寄るTHOM'S BAKERY。バンガロールの老舗ベーカリー&スーパーマーケット。
スーパーマーケットとはいえ、日本のコンビニエンス程度の規模。
整頓されていない混沌の店内には、ベーカリーのコーナーを中心に、アルコール、生鮮食品、加工食品、乳製品、日用品などがバラエティ豊かに揃っている。
その品揃えが、「痒いところに手が届く感じ」で、わたしが求めるものが見つかる。
新しいスーパーマーケットよりもこちらの方が便利なので、使っている次第だ。
さて、ドライヴァーが給油が必要だというので、近所の給油所で車を降り、ほんの少し、THOM'S BAKERYまで歩く。
折しも子供たちの下校時間。制服姿の、お下げ姿の女の子たちが、バスに乗ろうとひしめき合っているところだ。
「わたしも撮って!」「わたしも撮って!」
と、近寄って来る少女たち。みんな本当に、かわいらしい。さて、買い物に行かねばと歩き出したら、背後から「アンティ(おばさん)!」と呼ぶ声が。
どこかで見覚えのある女の子だが……誰だっけ?
おおぉぅ! 我が家の庭師のキヨシのお嬢さんである。
1年前に会ったきり、ずいぶんお姉さんらしくなっているのでびっくりしたよ。14歳なのに、表情が大人っぽい。
実は半年ほどまえ、彼女は「誘拐未遂事件」に巻き込まれて、一晩、行方不明になったことがあった。
住まいからは遠いシティ・マーケットのあたりに連れ去られ、更にどこかへ連れて行かれそうな事態だったらしいが、運転手が気を抜いた隙を狙って逃げ出したらしい。
アルヴィンドに事の次第を説明しながら、涙を流していたキヨシ……。無事で本当によかった。そして彼女もまた、元気そうで、本当によかった。
「今でも、将来はドクターになりたいと思ってる?」
と尋ねたら、満面の笑みで、
「イエス!」と答える。
去年の記録にも残しているが、わたしたちは、メイドのプレシラの息子と、庭師の息子、そして彼女の学費をサポートしている。
庭師の収入から二人の学費を支払うのは、不可能であることは、たやすく察せられる。
彼女たちが、せめて自分たちの納得がいく勉強ができる環境にいられることを願う。
ところでなぜ、庭師はキヨシなのか。
そのような詳細については、過去記しているので、下記をご覧いただきたい。
■こどもの週末。/バカボンは、薄伽梵なのだ? (←Click!)
こちらはTHOM'Sの店内の様子。このあたり、ムスリムの住人も多いので、ご覧の通りブルカ姿の女性たちをよく見かける。学校帰りの子供たちがおやつを買う姿も。
わたしは毎度、食パンを購入。サンドイッチ用のパンの「スライスされていないもの」を買うのがポイントだ。
これは店頭に並んでいないので、店員に頼まねばならない。
今日は焼きたてのほかほか、というよりはもう、オーヴンから出したばかりでアツアツ! なパンを奥の厨房から出して来てくれた。紙袋の封を閉じず、熱気を出すようにしてかごに入れる。
このようなレモンケーキやパウンドケーキ、プラムケーキなども、素朴でそれなりに美味なのだ。
ところで食パンは、冷ましたあとに好みの厚さに切って、密封して冷凍庫で保存する。その日食べるもの以外は、冷凍しておいたほうが、鮮度が保てるのだ。
インドの食パンは特に、防腐剤が使われていないものが多いのですぐに悪くなる。
話題は変わるが、このかわいらしいタオル。毎度おなじみGOOD EARTHで購入したORGANIC BAMBOOのタオルだ。夫の部下にベイビー誕生ということで、そのお祝いに購入した。
GOOD EARTHのムンバイ店には、以前から子供用品売り場があったが、つい最近、バンガロールのUBシティ店にもオープンしたのだ。
肌触りのいいタオル。自分が使いたいくらいである。
それにしても、だ。
4年前、マドヴァンの息子が生まれた時には、プレゼントの品を探すのに苦労したものだが、今やあちこちで、子供用品の専門店がオープンしている。
オーガニック・コットンやらオーガニック・バンブーやらの肌にやさしい素材の商品も増えつつあり、急成長中の市場であることが察せられる。
ところでこちらは、UBシティ館内の写真。現在、インドの現代アートの展示会が行われている。いくつかのアートギャラリーが出展しており、館内の随所に作品が展示されていた。
思えばこのUBシティがなかったころを思うと、できてよかったとつくづく思う。インド移住当初、インド財界人が集まるクリスマス・パーティの席で、UBグループのCEOであるヴィジャイ・マリヤを見かけたとき、ミーハー心で近づいてゆき、話しかけた。
当時はキングフィッシャー航空就航直後で、彼のメディア露出度は非常に高かったのだ。
「UBシティができるのを楽しみにしています」
と何となく口にしたが、本当に、活用させてもらっている。特にレストランが並ぶオープンスペースのあたりに、いい「気」が流れている気がして、気に入っている。
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さて、ホームページであるが、地道にも作業は進んでいる。インド関連のサイトをお持ちの方、どうぞリンクをお願いします。完成してないけど。