土曜のランチタイム。ファミリーフレンドのアニタの家に招かれた。女性だけのランチパーティ。
彼女が最近始めた、アートコレクションが展示されているほか、アニタの友人による「スキンケア」のレクチャーなども行われ……。
新しき人々に出会うひととき。
アニタは、義理の両親が一時期バンガロールに住んでいたころからの知り合い。アルヴィンドがまだ7、8歳のころろのことだ。
当時のバンガロールは、実に「田舎」だったということを、折に触れて聞く。今となっては賑やかなインディラナガールに住んでいたらしが、ひどく静かで、寂しい住宅街だったらしい。
アニタの家は、市街の中心部、ブリゲイド・ロードとチャーチストリートにほど近い一隅にある。
バンガロールは、中心街でありながらも、少し路地を入ると、昔ながらの一戸建て平屋の邸宅(バンガロー)が随所に見られる。
広々とした庭には、樹木が生い茂り、バンガローは包み込まれるように佇む。緑が日射を和らげてくれるので、風が涼しく、心地よいのだ。
アニタと息子のニッキルが暮らす家。今日はここで、アートの小さな展示会を兼ねたランチなのだ。ニッキルは建築家で、ニューヨークで仕事をしていた。
わたしたちが移住したばかりのころ、彼もニューヨークから戻り、母と二人で暮らし始めた。
軽く築100年を超えるバンガローは、この街には少なからず残っていて、いずれも、そのタイルや天井の細工の有り様が、個性的で、魅力的。
光が柔らかく行き渡る屋内はまた、風が通り、空気がしんと漂うように。本当ならば、こういう一戸建てのバンガローに暮らしたいところ。
しかし、メンテナンスが大変なのも事実。
一戸建ては、セキュリティはもちろん、電力のバックアップや水の確保も個人で行わねばならず、家に「執事のような人」がいてくれなければ、おちおち長期の不在をしてもいられない。
インドでの資産運用の筆頭は不動産購入。しかし、土地にせよ、家にせよ、持っていても管理するのがたいへんなのだ。
わたしにしてみれば、誰かに貸して家賃収入を得た方がよいのでは? と思える物件も、使用人を住まわせて管理している。
勝手に住み着かれたり、出て行かない人がいたりというトラブルが、少なくないらしい。土地にしても然り。
人里離れた僻地などに土地を購入しようものなら、知らないうちに誰かが住み着いていたり、場合によっては、誰かが家を建ててしまったりすることもある。
実に、一筋縄ではいかないハチャメチャな国である。などと、今更、改めて言うまでもないが。
いつか、本当にずっとインドに暮らすことになると決めたら、やはり一戸建てに移る方がいいだろうか。
移るなら、新築ではなく、このようなバンガローを改築したい。しかし、それは、新築を建てるよりも実は、手間がかかる。
そのころにはもう、わたし自身が、内装工事だの何だのに情熱を燃やすほどの気力が残っていないかもしれない。
などと思いながら、しかし、このバンガロールのバンガローに、心ひかれるのである。
ちなみに、バンガローを改築して作られたブティック群は、バンガロールの随所で見られる。先日もリンクをはったが、ご興味のある方、ホームページのこちらの項をご覧あれ。
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こういうところに住んで、カフェやショップを開くのも楽しそうだ……。などというのんびり計画は、10年後ぐらいにとっておこう。