9月1日。本日は、ヒンドゥー教は象の神様「ガネーシャ祭り」(Vinayaka Chaturthi Festival)であった。国民の祝日でもある。
アパートメントビルディングの自治会から、毎年恒例のお祭りイヴェントを行うとの案内が届いていたので、朝の儀礼(プージャー)にだけ、参加することにした。
夫に声をかけたところ、
「僕は行かない。信仰心、ないし」
とつれない。信仰心はともかく、好奇心に導かれ、ひとりカメラを携え、「公民館」へ赴いた。
入り口には、履物がとっ散らかっており、すでに祭司が訪れて儀礼が始まっていた。
が、参加者は特に「神妙な面持ち」で「儀礼に集中する」わけではなく、雑談などしながら、賑やかな「ハレの日」だ。
祭司は、果物や花などでひたすらカラフルな祭壇の前に座り、マントラを唱えている。
マントラを唱えながら、黒い石のようなものでできたシヴァ・リンガと、ガネーシャの小さな像に、水をかけている。
●喇叭のような形状の聖杯で、ちょろちょろと水をかけながら、どこかしらおもちゃのような、小さなガネーシャ像たちを、水で清める
●さて、お次は牛乳。乳製品が豊かなインド。食するだけでなく、ヒンドゥー教の儀礼にも欠かせない素材なのだ。
●だからって、ヨーグルトはちょっと……。しかも、その半固形状……。ともあれ、ドバドバと、降り注ぐヨーグルト。
●祭司はマントラを唱えつつ、次に取り出すは、ハチミツの瓶。はちみつをトロトロを、注ぎます……。もはや、「お料理?」状態だ。
●今度は小さなパッケージが取り出された。ギーだ。精製バターであるところのギーが、タラタラとかけられます。すごいな。
●どろどろになった神々。お次は、ココナツウォーターでさっぱりと。
●いろいろなものに「まみれきった」神様。再び最後、水で清められます。面白いなあ。ヒンドゥー教。
いろいろと、意味があるんだろうけど、どうにも「真面目にやってるとは思えない」ところが、味わい深い。
水で清められた神々を、マントラを唱えつつ祭司がきれいに拭いて、台座の上に飾る。そうして今度は、花を捧げる。
やがて火が焚かれ、人々は、火に手をかざし、その聖火を身体に受け止めるような仕草を繰り返す。日本の神社などで、線香の煙を受け止めるのと同じような感じで。
子供たちも、花を拾い、神に向かって投げ、そうして炎に手をかざし、祈っている。
いつのまにか、「信仰心がないはず」のマイハニーも参加していた。
「信仰心がない」と言いながら、やたら真剣に祈るところが、マイハニーだ。
ヒンドゥー教徒の庭師はもちろん、クリスチャンのドライヴァーもメイドも、今日はおやすみ。二人で静かに、DVDを見たりしつつ、呑気な休日を過ごしたのだった。