夫と出会って以来、米国在住時より、夫の出張の同行だけでも、あちこち旅したものである。米国国内はもちろん、フランス、スイス、英国、香港、シンガポール、インド……。
欧米では、妻が夫の出張に同行することは珍しくない。インドのビジネス界も然り。
もちろん、妻の旅行にかかる経費は自分で払うから、会社に負担をかけることなどはない。
インドでも、わたしがムンバイに赴く際の大半は、夫の出張に便乗である。
「来週、ムンバイだけど、ミホも来る?」
「ん〜。3泊以上なら、ついていってもいいよ」
と、なぜか、妻は上から目線で対応するのである。
しかし今回は違った。早朝起床でハイダラバードへ出張に旅立つ夫を、妻は寂しく見送ったのだった。
この出張は、2泊でも、いや、たとえ1泊でも、わたしはついて行きたかった。
にも関わらず、今回に限って、夫に却下されたのだ。
今回は、ホテル内でニューヨーク本社及び、世界各地のスタッフが一堂に会しての重要な打ち合わせが行われるから、妻は同席すべきではない。
とのことらしい。
ビリヤニの本場、ハイダラバード。真珠の集散地、ハイダラバード。
でも、わたしの目的は、ビリヤニでも真珠でもない。彼らが泊まるホテルだ。
■TAJ FALAKNUMA PALACE(←Click!)
最近(昨年?)オープンしたばかりのホテル。かつての宮殿を約10年かけてリノベーションして誕生したホテルである。
日本語の案内も見つけた。こちら(←Click!)をどうぞ。
インドには素敵なホテルがいっぱいある。ホテル好き、特にTAJグループのホテル好きのわたしにとっては、行くべきところがたくさんだ。
昼ごろ、「ローカルフード探検」に向かう車中で、夫より電話。
「ミホ、今、ホテルにチェックインしたよ!! スーパー・ラグジュリアスだよ!!!」
そらもう、うれしそうな声である。
それはそれは。よかったですね〜。よいご出張を! と言いつつ、妻はランチへ向かうのであった。
■iPhoneに酔う。iPhoneにめまい。
日本から帰国する途中のシンガポール空港で、発作的に購入したiPhone4。毎日MiPhone@Indiaに記録を残し、写真を撮るなど、練習がてら、楽しんでいたのだが!
自分の三半規管の弱さを、忘れとった。
わたしは人並みはずれて、三半規管が弱い。特に船酔いが著しい。プールで泳ぐことも、たまにならいいが、日課にするといけない。
目眩が頻発するようになる。
3Dの映像も一切ダメ。遊園地の乗り物も、回る系、振り回される系は地獄。
その癖、取材先や旅先で、バンジージャンプとか、パラグライダーとか、パラセイリングとか、ドアなしヘリコプターで遊覧とか、ビジネスクラスでおいしいワインを飲みすぎるとか、ちょっぴり無茶なことをやっては、死にそうな目に遭う。
着陸時の揺れで具合が悪くなり、車椅子で入国したことも一度ではない。ま、あれはスピーディーなラインを通してもらえるので、うれしいんだけど。喜んでいる場合ではない。
それはそうと。先週末から毎朝、目覚めた瞬間、ベッドの中で脳内がぐるぐると回転する、著しい目眩に襲われるようになった。
1日目は、前日のお酒のせいだろうと思った。
2日目は、ちょっと隊長不良、いや体調不良かな、と思った。
3日目。またしても、ぐるぐるしている。おかしい。これはおかしい。なんかの病気?
目眩がおさまる前に、そっと目を開いて天井を見つめて驚いた。
天井のファンが、左から右へ、左から右へ、スライドしているではないか!
シュパーン、シュパーン……と音をたてんばかりに!
まるで天井全体が、iPhoneの巨大画面状態!!
驚いた。目眩の理由がiPhoneであること間違いなし。情けなし。
シュパーン、シュパーンと移動する画面を眺めていたのは、一日のうち、ほんの数分、いやそれ未満の短さだというのに。
スライド機能は使うのをやめて、しばらくはiPhoneから距離を置かねば。
それにしても、わたしの脳みそは、どうなっているのだろう……。なんかもう、よくわからんが、もう少し丈夫な三半規管が欲しかったと思うのだ。
■人口2倍。駐車困難、世界一。
新ドライヴァー(クリスチャンのナーサン)に変わってまだ1カ月に満たないのだが……。
運転が、いまいち、うまくない。カンパニードライヴァーとしての経験も長く、信頼が置ける人物とは聞いていたのだが。
左折時に、縁石に乗り上げてボディの底をガガガ〜ッと削ってくれたため、現在、車は修理中。ついでにサーヴィスメンテナンス中だ。
昨今のバンガロールの道路交通事情は最早、混沌の極みの極み。道路はスピードバンプがあちこちに作られ、凹凸だらけ。
加えて、交通ルールのない無法地帯。
オートリクショーが排気ガスをまき散らしながら走る。真新しい車、古い車、牛車、あらゆる車両が、車線を無視して、何台もぎゅうぎゅうに並んで走る。
その車間を、群がる蠅のようにバイクがブンブンと走る。
牛が横切る。羊の群れが現れる。
バンガロールの人口は、この10年の間に倍増し、今や1000万人に達する勢いだ。今の時点ではもう、達しているかもしれん。
主には地方からの出稼ぎ労働者。つまりは低所得者層の人口もまた、爆発的に増えているようである。
ムンバイのスラム居住者は5割で、バンガロールは3分の1とのレポートを、昨年だったか、目にしたが、今やバンガロールのスラム居住者数も、相当なものではなかろうか。
そうそう、つい先日発表された、米IBM社の独自調査によると、「世界で最も駐車が困難な都市」は、ニューデリーとバンガロールらしい。
インドで、じゃなくて、世界で、ですよ。ほんとかしら。ほんとでしょうな。
そんな中、運転をするのもかなりのストレスであるはずだ。だから、ドライヴァーにはもっと温かい目で接するべきだとも思うのだが……。
運転って、センスだからね〜。偉そうに言うけど。そのあたり、矯正のしようがないのが難しいところ。
ブレーキをかけるタイミング、ブレーキペダルの踏み方、この凹凸渋滞天国(地獄)のバンガロールでは、非常に重要なのだが、どうしたものだ。
なにしろ、三半規管の弱いわたしである。そこのところをなんとかしたいのだが、「人柄がよい」「運転がうまい」「信頼がおける」といった条件を揃えた人は、そうそう見つからないものだ。
まあそんなこんなで、バンガロールの渋滞はマキシマムな感じだが、いよいよ、ついには、メトロが開通しそうな様子である。
「焼け石に水」な部分もあろうけれど、いや、それでも今よりは少々、事態が緩和されることを祈りつつ。
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