夕べは、バンガロール日本人会が主催する「仮装パーティ」だった。と言いたいところだが、実は「クリスマスパーティ」だった。
バンガロールでは年に2回、日本人会に所属する人々によるパーティが開かれる。それは、わたしがインドに移住するだいぶ前から行われていたようで、わたしもこれまでに、幾度となく出席してきた。
このパーティは同時に、女性たちがサリーを着用する好機でもある。それは着るも見るも楽しい催し。
毎度、「紅白の小林幸子?」的に派手なノリを見せているU-KO隊員。帰任間近の最後のパーティとあって、重量感のある派手なサリーを着用するとの話は聞いていた。
それに便乗して、PAKAKO隊員も、派手派手路線で登場と聞いていたので、わたしはむしろ、シンプルに白いサリーを選んだのであった。
これは移住当初の5年前に購入したもの。着用も約5年ぶりである。
ビューティーサロンでヘア&メイク、着付けをすませてきた隊員2名。ホテルのロビーで遭遇するや、毎度おなじみの大騒ぎ状態。
PAKAKO隊員の、この完成されたメイクを見て、騒ぐなという方が無理である。
そもそも、美形の彼女。
そもそも、国籍不明な風貌でもある彼女。
メイクが映えすぎ!!
似合いすぎ!!
イライザ?
ベルバラ?
宝塚?
マリーアントワネット?
タイのニューハーフ?(PAKAKO隊員の夫、ヤクルト王子のコメント)
以下、参考画像。
さて、今回、会場となったのは、市街西部に新しくオープンしたばかりのホテル、Sheraton。市街東部の我が家からは少々遠かったものの、会場、料理など、非常に、すばらしかった。
毎回、担当の方々のヴォランティアによる尽力で、運営されているこのイヴェント。少しずつ、新しい企画なども導入されている。今回が場所が変わったことで、格別に新鮮だった。
ワンダフルだったのは料理。料理の内容もさることながら、会場の外に設けられた空間でのプレゼンテーションが美しく、並ばずに料理を選べるのがよかった。
5年前、初めて日本人会総会に参加した折、数少ない日本料理を目指して、大人たちが会場を「走る」のに愕然としたものだが、そういう光景がなかったのも、麗しかった。
などと上品ぶったことを書くに相応しくない、今夜のローカルフード探検隊長なのであるが、まあ、個人的な所感である。
ホテルの料理以外にも、バンガロールの日本料理店「播磨」より、巻き寿司や肉まんなどが提供された。
肉まん、「なんと!! 500個」に沸く観衆。
そら、日本に住んでいる日本人にとっては、肉まんごときで何を騒ぐ? と思われるだろうが、ここはインド。日本からは遠く離れたデカン高原。
肉まんが食べられるというだけで、沸けるのである。
ささやかな出来事が、しかし「特筆すべき」であり、大きな幸せを感じられるのである。
たいていは、日本食を食べ損ねていた我々だが、今回は肉まんも巻き寿司もチキン南蛮も、おいしくいただいた。
取り敢えず、「顔写真、ネット流出OK」な人たちの写真を掲載。となると、いつもの顔ぶればかりになってしまう。
ところで今年は、いつものコーラスやビンゴに加え、楽しいイヴェントが用意されていた。
バンガロールで一番「インド通な人」「日本通な人」「漢字を知っている人」……など。
その場で出場者を募るのだが、どれに出ても、間違ったら洒落にならんな、と思いつつ、見守っていたところ。
「バンガロールで一番数学ができる人」
なコンテストが!
そら、アルヴィンド、あなたの出番でしょ!
周囲から押されまくっているのに、
「いやあ、酔っぱらってるから」
などと言いながら、腰を上げないマイハニー。「出なよ〜」と押されて、ついにはステージに出たのであるが……。
スクリーンに映し出されたのは、3桁の足し算、2桁のかけ算など、数学じゃなく、算数である。わたしだって時間をかけりゃ出来るような内容だ。
にも関わらず、すらすらとペンが進まないマイハニー。途中棄権して、席に戻る始末。
「やっぱり、酔っぱらってるときは、計算なんかしたくないよ〜!」って……。
情けな! MITが泣くぞ。
そんな夫の雪辱を晴らすべく、妻は次なる「ちから自慢」に出場することに。
が、のっけから、進行係の友人に「その格好じゃ無理」と断られる。
が、なにか一つぐらい、出させてという話だ。再度、出場を依頼して、壇上へ。
で、競ったのは、これ。
高校時代(バスケ部所属)は数十回、できたけれど、なにしろ46歳の身空である。
無茶をして肩でも痛めては洒落にならんだろうと、最初の2回はずるをしたのだが、みなの真剣な様子に気づいて、わたしも「本気」を出すことに!
腕をぐっと曲げて胴体を床ぎりぎりに近づけるような「超本気腕立て伏せ」は当然、無理。気持ち、腕を曲げる程度にとどめたのだが……。
酔っぱらいの身には、応えるのなんのって。
次に、腹筋やらヒンドゥースクワットやら反復横跳びが続くかもしれん、と勝手に思い込み、体力を温存する意味でも、切りよく20回(実質18回)でストップ。
この方のフォーム、あまりにもお尻が上がりすぎ!
どう見ても、腕立て伏せじゃないし!
などと競争心燃やしてる場合でもないし!
結局は、腕立て伏せのみで終了。アルコールが入っていなかったら、あと10回はいけたな。などと思う、いくつになっても体力勝負な隊長だ。
さて、宴も終盤。ビンゴ・タイムだ。在バンガロールの各社から寄贈された、さまざまな賞品がテーブルに並べられている。
特段、くじ運がいいわけではない我々。いつもは適当にやっているのだが、今夜の夫は違った。賞品のひとつである「iPad」をゲットしたいと張り切っている。
いや、ビンゴとは張り切ればいいというものでもないはずなのだが……。
なんと! アルヴィンドが一番にビンゴ!! を獲得したから驚いた。
「お名前をどうぞ!」と言われて、「アリガトウゴザイマス!」と返す、毎度いい味だしてるマイハニー。
ちなみに賞品は「iPad(バッド)」ではなく、「iPod(ポッド)」だということが発覚。
「iPod……、いらない」
ということで、新潟産の名酒、「八海山」の純米吟醸(by 横河電機)を選んだマイハニー。
よくわからんが、ボトルの大きさ(一升瓶)で選んだ模様。
妻もよくわからんが、「これがいいよね」ということで決定。
算数は棄権したが、ビンゴで勝利。
超うれしそうな夫。よかったね。
それからはもう、会場は賞品をめざして人々が入り乱れるは、記念撮影が随所で行われるはで、たいそうな賑わいに。
PAKAKO隊員も日本酒ゲットで、いつまでも無駄に盛り上がるテーブル。気がつけば、みな退散して、会場はガランとしている。
にもかかわらず、悪ふざけをし続ける阿呆な人々……。恥。
「日本人のパーティって、苦手なんだよね。英語しゃべってくれる人、少ないしさ」
などと、出発前には、いつものごとく、文句を垂れていた夫だが、彼が一番楽しんでいたんじゃなかろうか。
帰りの車中でも、「ビンゴで一番って、僕、すごいよね」「このお酒、おいしいのかな?」と、興奮冷めやらぬ様子。
妻は、数日後に襲いかかるであろう筋肉痛を憂いながら、月食の夜空を見上げるのであった。
いい、夜であった。
最後に。パーティの運営に関わった皆様方、お疲れさまでした。楽しい宴を、ありがとうございました!