この十年余り、わたしは幾度となくアーユルヴェーダのことを記してきたが、初めて読む人もあろうかと思い、簡単に概要を説明しておく。
アーユルヴェーダとは、5,000年以上前からインドに伝わる医学で、サンスクリット語のアーユス(生命、長寿)とヴェーダ(科学、知恵)がその語源。人間を精神面、肉体面からホリスティック(総合的)に捉えつつ、健康的な状態に導く。
南インドのケララ州が アーユルヴェーダの発祥の地で、多くの診療所や関連施設がある。バンガロールでは、ここアーユルヴェーダグラムなど滞在型の施設のほか、市内には診療所も数多くある。
アーユルヴェーダは病気になりにくい心身作りを目指す「予防の医学」。宇宙の万物は、空気、風、火、水、地の五大元素から構成されいるが、アーユルヴェーダによると、これは人間の身体にも応用される。元素の2つずつが組み合わされ、大きく3つに分類されたものを「ドーシャ」と呼び、人間の体質をドーシャに従って分類する。
ヴァータ(空気、風)、ピッタ(火・水)、カファ(水・地)の3つのドーシャが正しいバランスを保っているときが、健康な状態とされる。ちなみにわたしは「ピッタ・ヴァータ」、夫は「ピッタ・カファ」だ。日頃の生活行動、性格、雰囲気などからも推察できる。
診療所では、ドクターからの問診、触診、脈診を受けたあと、下記の項目に沿ったアドバイスが施される。
●ライフスタイル(食生活など)の改善
●エクササイズの習慣
●生薬やオイル・マッサージによる療法
アーユルヴェーダは、心身のあらゆる不調を、改善へと導いてくれる。西洋医学を否定するものではなく、西洋医学では補えない部分をサポートする点もあることから、欧米のドクターから勧められた患者が、メディカルツーリズムの一環としてインドを訪れ、数週間から数カ月に亘って治療を受ける例も少なくない。アーユルヴェーダグラムの来訪者も約70%が外国人だ。
腰痛や肩こりなど軽症な疾患の改善をはじめ、交通事故や発作などによる麻痺のリハビリテーション、抗がん剤で弱った身体の蘇生、薬剤の浄化、減量プログラム、精神疾患の緩和など、あらゆる心身の不具合に対して、何らかの療法を提供してくれる。
わたしは十数年に亘るインド生活の中で、個人的な経験を通しても、またケララ州でアーユルヴェーダ医療の取材をしたときにも、さまざまな症例を目の当たりにし、その偉大なる力を実感している。
「予防の医学」でもあるアーユルヴェーダは、健康的な生活習慣の提唱が基本理念。ゆえに、特に目立った不調がない人でも、健康維持のために、自分の身体の傾向を知っておくことは有意義だと思える。ライフスタイルを見直し、心身ともに健康的な暮らしを送るための契機になるともいえる。
アーユルヴェーダグラムに関心のある方には、坂田特製の日本語版資料があるので、ご一報ください。お送りします。
3日目の昨日は、腸内クレンズをした。朝、強烈な下剤効果のある薬草パウダーを湯に溶いて飲み、午前中はトイレとの往復だ。去年もやった。痩せにくい体質のわたしには、痩身効果はなかったものの、体内を浄化する作用はあったと思われる。今年のわたしは体調がいいほうだったが、日常の心がけに加え、このような治療も効果があったのではないかと思われ、今年も試した次第。
食事は、昼はお粥とスープ、夜はマイルドなカレーとチャパティ。さほどの空腹感を覚えない。「やや本気のダイエットコース」は、さほど本気ではない気がして来た。
今日の献立が楽しみだ。