非日常と呼ぶにふさわしい、直島の滞在だった。無論それは、ベネッセアートサイトに3泊できたからこそ、だったと思う。1カ月前に旅のプランを立てたときには、すでに満室で予約が取れなかったため、市井の民宿に滞在する予定だったのだが、既述の通り、アルヴィンドが旅の直前に、日々サイトをチェックし、1泊、2泊、3泊と空室を見つけてくれたのは、本当に幸運だった。
坂田の個人的な感想を述べるならば、直島滞在を考えている人には、ぜひともベネッセアートサイトのいずれかの宿泊施設を予約してほしい。島の他の場所を巡らずとも、このリゾート内だけで十分に、有意義な時間を過ごせる。もっと具体的なあれこれを書き残しておきたいところだが、今は新神戸から東京へ向かう新幹線の車中につき。
今日はは、ベネッセアートサイトから、シャトルバス、そして直島から宇野港までの船、宇野港から岡山までの列車、岡山から新神戸までの新幹線、新神戸から有馬温泉までのバスを乗り継いで、有馬温泉に到着した。時間にして3時間程度だったが、乗り継ぎ時間がいずれも3分とか5分とかの微妙な短さゆえ急がねばならず、かなり疲労困憊した。
今回、直島でいい宿を取れなかったことが前提で、1泊ぐらいは奮発しようと有馬温泉でも最高級の宿、「中の坊 瑞苑」を予約していた。中でも温泉好きな夫ために、露天風呂付きの部屋を選んだ。これもまた、大正解であった。狭い湯船とはいえ、大浴場よりも落ち着くし、何度でもいつでも、温泉に浸かれる。
有馬温泉が日本三古湯の温泉であることや、豊臣秀吉ゆかりの湯であることなど、これまで知らずにいた。小さな温泉街を散策し、実に美味なる料理を堪能し、直島滞在に続き、有馬温泉もまた、記憶に刻まれる地となった。