ヒンドゥー教では身内が他界した場合、以降「13日間」は喪に服し、どんちゃん騒ぎを控えるべき、らしい。敬虔なヒンドゥー教徒ではない夫が言うことなので、定かではないが。
そんな13日目の土曜の夜。以前から決めていた「新年会」の小宴を実施した。ゲストは日本男子3名(といっても、概ねオヤジ)、途中から、外出していた我が夫も合流という流れである。
コンセプトは「薬膳的ヘルシーさを漂わせながらのがっつりノンヴェジ」。つまみはチキンレバー&ハツの煮込み。パプリカのスライスやマカナ(蓮の実スナック)とピーナッツを炒ったもの。
インド人のパーティといえば、ゲストが集いはじめるのは夜9時ごろ。夕飯が始まるのは11時ごろだったりするのだが、日本人は、すぐ夕飯を食べたがる。7時過ぎにはもう、食卓というのが平均的なパターンだ。インド人は、まだ自宅で外出の準備にさえかかっていない時間帯である。
いつもは、「セミナーのあと」あるいは「ミーティングのあと」に夕飯……という流れだが、土曜は「宴のみ」。それが違和感。キッチンに立っていながらも、「プロジェクタの準備しなきゃ」とか、ついつい閃いてしまう。
わたしは「本場の肉骨茶(パクテー)」を食べたことはないのだが、雰囲気で自己流を作る。八角やシナモン、カルダモン、クローブ、自家製粒胡椒など、身体を温める系の「ガラム」な「マサラ(スパイス)」を適当に投入。加えてニンニクも固まりで。この日は干し椎茸とその出し汁も入れた。
これにスペアリブを入れて、スロークッカーで数時間、ゆっくり煮込む。味付けは、シーソルト、醤油、バルサミコ酢のみ。
あとは、最近Freshtohome.comでも販売を始めたアトランティック・サーモンのグリル。バターと塩こしょうで焼くだけで、これが旨い。そして毎度おなじみ、韓国料理店のアリランで買った大豆もやしのサラダ(我々夫婦の超好物!)とほうれん草。
豆腐は絹ごし、木綿、どちらも好きだが、ゲストが来訪した時には無難に絹ごし。どんと巨大プリンのように器に盛って、ゴマや鰹節や海苔などを散らす。あと、卵焼きも作った。そして日本米を炊く。
実は夫が外出する前、我々夫婦の親しい友人男性が入院したと電話があった。重篤な症状ではなく、一両日中に退院とのことだが、夫が見舞いに行くというと「なにか食べ物を持ってきてくれ!」としつこくせがまれたという。
最近、離婚したばかりの彼。諸々あって、食生活も乱れていたのだろうか。病院食に辟易している様子である。
インド人でありながら、日本料理が大好きな人なので、夜の料理を少しずつ盛り付けて、おにぎりを作り、さらにはお吸い物を作って「お弁当」にし、夫に持たせる。さすがに病人なので肉類は控えたが、そこそこ豪華な弁当である。
ドクターの許可を得ずに勝手に食べていいのかどうか、わたしは知らん。子どもじゃないんだから、そこのところは、きちんと確認してもらってよね、と夫に伝えておいたのだった。
体調不良のとき、多くの日本人は「ごはんと味噌汁」がぐっと五臓六腑にしみてくるが、日本料理好きなインド人も、そこそこしみたようで、たいそう喜んで食べていたという。
それにしても、小人数ながら、よく飲んだ。
ちなみに坂田が一時おすすめしていたところのビール、EIGHT FINGER EDDIEだが、残念なことに、品質が一定していない。最初に買った24箱はどれもおいしかったが、2度目の24箱は、3分の1くらいが、酵母の匂いが強すぎたり、苦すぎたり、だいぶ変だった。
残念至極!
というわけで、EIGHT FINGER EDDIE。おすすめできません。