折に触れて「スケジュールノート (Planner/ Journal)」の有意義を記しているが、今年は新年早々、書き留めておきたい。
わたしは毎年、秋の日本一時帰国時にスケジュールノートを購入している。米国在住時は米国で購入していたが、インドに来てからは毎年日本にて。いくつかの店舗を訪れ、無数の選択肢から選ぶ。これだけ売られているのだから、活用している人も多いと察せられる。
しかし、わたしのライフスタイルに則した「これだ!」と満足のいくものには出合えていなかった。一時はオリジナルを制作しようかと思ったこともあった。ゆえに、自分なりに項目を加えたり、ページをアレンジして使用し続けてきた。
わたしが初めて、「ビジネス仕様」のスケジュールノートをつけ始めたのは1985年。大学2年、19歳から20歳になった歳だ。その年の夏、初めて日本を離れ、ロサンゼルス郊外で1カ月のホームステイをした。書斎の書棚には、過去30年以上のジャーナルが年別に並んでいるので、立ち上がって手に取れば、いつでもその年の自分を確認できる。
……と、過去を回想するのが本日の目的ではない。
毎年のように、夫にもジャーナルを購入して託しているが、活用された試しがない。思えばPalmPilot (パームパイロット)というディヴァイスが発売され、それを活用するようになったころから、米国ビジネスマンはじめ、世間はスケジュール管理をデジタル化するようになったと思う。
デジタルの利便性に対して、もちろん異論はない。ただ、そのころから、人間の多忙さ、自分自身で予定を把握しきれない「詰め込みのスケジュール管理」が、益々加速してきたような気がする。
もちろん職業や各々のライフステージにもよるけれど、スマートフォンに知らせてもらわなければ忘れてしまうほど、1日に無数のスケジュールを詰め込まねばならない状況、というのは、永続すべき健全なライフスタイルとは思えない。
この件に関しては是非があろうが、個人的には、「紙に手書き」の1冊を持っておく方がいいと、切に思う。日々、生身の人間としての自分の許容量をアナログで確認でき、過去を振り返りやすく、優先順位を一瞥しやすく、脳内を整理でき、未来を展望しやすい……と、好例は枚挙に暇がない。
というわけで、今年こそは夫にも、iPhoneでのスケジュール管理と併用して、ノートを活用してもらおうとamazon.inで探したところ……。すんばらしいノートを発見した。
「TINYCHANGE 2020」
http://www.tinychange.com/
英国在住のインド人女性が起業したTINYCHANGEという会社が、2017年に販売開始したもので、自己啓発、自己開発などの側面から「諸々を書き出す」ページも設けられている。これは、バックグラウンドを問わず、ビジネスマンも、子育て真っ最中の主婦にも、未来遥かな若者たちにも、遍く人たちに役立つ内容だ。
夫のために注文し、翌日手元に届いたそれを見て、自分も欲しくなり、即注文。かなり厚みがあるし、紙質も日本製のそれに比べると粗くてもったりとしているが、どことなく手作り感があっていい。冒頭の約30ページは、自己分析やプランニングなどを記せるようになっており、記入するのが楽しい。週ごとのページの項目(カテゴリー)は、自分のライフスタイルに合わせて書き換えて使うといいだろう。
毎年、中途半端でノートを放置してきた夫だが、このところ、わたしが過去の経験を整理していることにより、徒労やトラブルを回避でき、無駄な時間を軽減している実例を目の当たりにした彼は、その意義深さを実感したようでもある。今更か!
というわけで、週末、きちんと時間を設けて2019年を振り返り、2020年を展望する時間を取ってもらった。わたしは振り返らずともすでに整理されているので、2020年の展望のみ。
1日の終わり、互いの翌日のスケジュールを確認し合う約5分間の「ミニ・ミーティング(ミニミー)」、1週間の終わり、日曜の夜に打ち合わせる「ミディアム・ミーティング(ミディミー)」、1カ月に一度の「ビッグ・ミーティング(ビッグミー)」の時間を持つことに決めた。そして互いの予定も自分のノートに書き入れる。
多くの課題を抱えている時こそ、敢えて隙間の時間を作り、振り返り、整理することが大切だと切に思う。物事の優先順位を明確にすることで、ヴィジョンも浮かび上がってくるだろう。直感も冴えてくる。
ところで、年末に読んだ『7つの習慣 最優先事項 生きること、愛すること、学ぶこと、貢献すること』。同じ著者の初版本(1989年)を夫も持っていた。どうやらこちらも、同じようなことが繰り返し語られ、若干「冗長な編集内容」であることは否めないことから、大切な箇所だけ確認してもらった。
「緊急で大切なこと」に気を取られ、「緊急だけど大切ではないこと」に忙殺され、「緊急ではない大切なこと」を忘れてしまうようなライフを送り続けないように。今年は、夫婦揃って視界をクリアにして物事に取り組める気がしている。