今から12年前。食品関係の視察でムンバイを訪れていた日本の食品メーカーの人たちに、インドの食事情について1時間ほど語るという仕事を受けた。視察団全体のコーディネーションは、他の人が請け負っていた。
しかし、そのときの視察団との会話を通し、彼らの旅の行程が(これはありがちなのだが)、あまりにも短く詰め込まれていて、ご自身達がどこにいるのかも、わかっていらっしゃらないことを知った。
旅をするには地図は不可欠で、全容を掴めば理解しやすい。しかし、当時、ムンバイだけでなくインド各都市、わかりやすい地図を入手するのは困難だった。無論、現在は、すべてGoogleマップ頼りとなり、紙の地図を使う人は少なくなったが……。
ともあれ、少しでもムンバイのことを知ってほしいとの思いから、ホテルの部屋に戻った際、部屋に備え付けられていた便箋の裏に、急ぎ手書きで地図を作った。そして、コーディネータの人に、コピーして使ってくださいと渡した。
これはそのときのオリジナルだ。実はこのアナログな即席の地図が好評で、以来、何度か自分の視察旅行でも使ってきた。
今回、久しぶりに発掘し、同行の二人にお渡しした。書き込むべきポイントは増えているものの、最低限の情報は網羅されている。少なからず役立ったはずだ。
折しも、場所は違えど、同じITC系列のホテルに滞在しているときだった。
捨てずに、とっておいてよかった。
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