今回のポンディシェリ旅行。YPOのフォーラム・フレンドたちと、久しぶりの女子旅だ。COVID-19パンデミックで、2年ほど以上に亘り、自由に旅ができなかった。
今年半ばあたりから、インドではかなり自由に旅ができるようになり、今となっては空港も人がごった返すほど、多くの人たちが各地を行き交っている。活気に満ちた世界を見ていると、パンデミックで閉ざされていたころが、幻のようにさえ思える。
かつてフランス領だったポンディシェリ。昔好きだった「黄色」があふれる街を歩いているうちに、東京で編集者をしていた若かりしころの取材を思い出す。今はなき「昭和シェル石油」の、クレジットカード情報誌の取材で、世界の各地を車で旅した。
基本的には「シェルで給油できる国」ならば、どこでも企画案に載せられた。できるだけ、自分たちが行きたい土地、ルートを採用してもらえるよう、ライターやフォトグラファーからアイデアをもらい、図書館や書店、各国政府観光局へ足を運び、情報を集めた。
1990年夏から1993年春にかけてのわずか3年足らずのあいだに、数多くの国を訪れ、いくつかの国境を車で越えた。あの取材を通してわたしが得た糧はまた、計り知れない。何もかもが初めてで、何もかもが新鮮だった。
インターネットもデジタルカメラもない時代。「自分の足で歩いて集める」情報が全てだったアナログ世界だったからこそ、今のわたしの冒険心や想像力、創造力は、切磋琢磨されたとも思う。
黄色にあふれたかつてのフランス領を歩きながら、南仏プロヴァンスの旅を思い出していた。コート・ダジュールの海辺のレストランで初めて食べたブイヤベースの、あの塩味が効いた旨味。メニューにブイヤベースを見つけて、迷わず注文する。
友人らの会話を聞きながら、20代の自分を懐かしみながら、白ワインとともに味わう。
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