昨夜、友人の息子の結婚披露宴に招かれた。我々夫婦にとって、今年に入って初めての結婚式レセプションだ。会場は、バンガロールのパレスグラウンドに併設された屋外の広大なエリア。インド都市部では、ホテルやイヴェントホールなどでも結婚式が開催されるが、招待客が非常に多い場合など、屋外の会場も利用される。
日本の約9倍の国土に10倍以上の人間が暮らす多様性の極み国家、インド。地理的条件も、宗教やコミュニティの差異も、貧富の差も、多様であるがゆえ、結婚式の在り方ひとつをとっても、一般論は語るに難い。
概ね、全般に共通しているのは、結婚式に伴う各種イヴェントは、「大勢のゲストを招いて何日もに亘って開催」される「大規模かつ派手」なものであり「歌や踊り、豪華な食事は不可欠」だということ。
また、日本と大いに異なる点は、「ゲストは花嫁を引き立てるファッションを着用すべき」などという概念はないということ。「ゲストは思うがままに着飾って参列」し、「”式次第”のない、気ままな環境」の中、「久しぶりに親戚や友人たちと再会」あるいは、「新たな出会いを楽しむ」……といった社交の場である。
ちなみに、「招待状に6時30分より開始」と書かれていても、決して時間通りに行ってはいけませんよ、日本のみなさん!!
ゲストどころか、主賓すらも会場に到着しておらず、会場の設営のスタッフが料理やドリンク、音響などの準備している場に、ひとりでポツンと佇むことになりますから!
わたしは、2001年7月、自分の結婚式を挙げるために、初めてインドの地を踏んだ。思い返すに、無謀だった。
各種結婚式の儀式が、デリーで開催された。自宅での身近な親類や友人を招いての結婚の儀式を行った翌日、ホテルのバンケット・ホールで披露宴が開催された。
しかし、予定時刻になっても、会場に誰も来ず「ひょっとして、祝福されてない?」と動揺したものである。やがて人々は三々五々やってきて、新郎新婦とその家族は、ゲストひとりひとりと挨拶をし、式次第なく、みなが気ままに語り合い、料理を食べて解散!……という流れだった。諸々、衝撃的だった。
自分がインドで結婚式をするまでは「なぜ、こんな派手なのだ?」と思っていた。しかし、インドを知るほどに、結婚式が極めて重要な社交の場であるということを認識させられる。
広大な国土に、カラフルなモザイクのように入り混じるコミュニティ。自分の宗教やコミュニティに代々伝わる伝統を継承するための、重要な通過儀礼でもある。インド各地、いや、世界各国に住まう親族が再会をし、関わりを深める大切な機会でもあるのだ。
そこにはもちろん、ビジネスの機会もある。公私に亘って結婚式は、人と人を結ぶための有意義な場でもある。事実わたしたちも、昨夜は数時間の間にも、5年ぶり、10年ぶりに再会し、連絡先を交換しあった人たちもいた。
昨夜のわたしは、10年以上前に、ムンバイの手工芸品展示会で購入したパールシー刺繍のサリーを着用した。このところ、Ashdeenの超精緻なサリーに目が慣れてしまい、自分のパールシー刺繍のサリーが少し見劣りしてしまう。とはいえ、これもすべてが手刺繍で、上品な美しさだ。夫はネルー・ジャケット(立て襟のジャケットを好んで着ていたネルー初代首相に因む)を久々に着用。よくお似合いだ。日本の学ラン風😅
インドの結婚式については、自分の結婚式、親戚の結婚式など、記録を残している。すでに情報は古く、現在とは状況が異なっている点もあるが、関心のある方はぜひ、ご覧ください。
◉親戚の結婚式/ヒンドゥー教徒の新婦側はデラドゥーン。キリスト教徒の新郎側はゴアにてWに一大結婚イヴェント(February 2011)
https://museindia.typepad.jp/fashion/wedding-dehradun-goa/
◉我々夫婦の結婚式@デリー(July 2001)
https://museindia.typepad.jp/library/life%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%A7%E7%B5%90%E5%A9%9A%E5%BC%8F/
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