遂には今年最後の晦日。2023年が、まもなく幕を下ろす。COVID-19パンデミックが明けて、公私に亘る諸々が本格始動した今年。Muse Creation (NGO) の新たなフェーズ。そして坂田のビジネス部門の「名義変更」に伴い誕生したOKaeri Ventures。今年の終盤は、未来に向けて少しずつ動き出した、有意義な数カ月だった。
さて一昨日の28日は、一年を締めくくるにふさわしい、若者向け研修会で仕事を納めた。わたしが若者向けのセミナーを開始してから10年ほどが経つ。インドで、日本で、多くの若者らに語り続けている。そのあいだにも、わたしの経験は増えて豊かになり、セミナーの内容は何倍もパワーアップしている。
今回は、海外インターンシップはじめ、国内外での教育支援を行うTiger Movからのご依頼。「年末年始インド合宿 」と称したプログラムでバンガロールを訪れている高校生~大学生が対象だ。
実は、Tiger Movが創業される前の2014年、わたしがミューズ・クリエイションのクリスマス会をしているときに、バンガロールに来訪されていた創業者の二人が、空港から直接我が家のパーティに(諸事情あって急遽)参加されるという出会いがあった。あれから9年。
それ以降、Tiger Movが引率する学生たちへ、何度かセミナーを実施したこともある。だめだ、思い出が芋づる式に出てきて止まらない。
さて、今回は、かつてわたしのセミナーを受講された経験のあるKanaeさんが引率者として、連絡をくださった。わたしが若者向けセミナーでいつも語ってきた重要なポイントのうちのひとつ、「裸一貫の自分を思え」というキーワードが心に刻まれ、折に触れて思い返されているとのことである。
それは、わたしにとっても、非常に光栄でうれしいこと。そんな諸々の背景を踏まえて、今回、年の瀬で立て込んではいるものの、セミナーをお引き受けした次第。しかし、1、2時間の短時間では互いに消化不良になることはわかっていたので、長めに時間をあけてもらった。わたしの話のあと、お茶休憩などをしつつ、学生ら個別の質疑応答にも答えていると、軽く4時間は過ぎてしまうのだ。
ちなみに、今月初旬、久々にリアルで実施したOKaeri Ventures主催の若者向けセミナーからは、「セミナー」ではなく「研修会」と呼ぶことにした。研修会の方が長時間かつ、本気出して腹括って参加する必要あり感が漂っている気がするがゆえ。
世のテクノロジーの進化が益々顕著となり、AIが多くの職を担うであろう未来が身近に迫ってきた昨今。10年前の学生と、今の学生とでは、生活環境も思考回路も大いに異なる。インターネットの台頭、スマートフォンの普及により、人類の歴史はここ30年の超絶的なテクノロジーの進化により、「目盛を振り切った」状態が加速している。
人間が、取り残されていく。
利便性が高まるほどに、人間は頭でっかちになるものの、瞬発力や体力、行動力、そしてサヴァイヴァル能力が落ちてゆく。そのことが、否応なく伝わって来る。
1965年に生まれ、高度経済成長とバブル経済の時代、バブル崩壊後、そして米国、インドでの生活とビジネスに向き合ってきた自分の経験は、振り返るに濃厚だ。
このごろは、自分自身の「唯一無二」を、人に伝えることは自分の使命だと感じている。7歳の時に初めて書いた日記。人前で話すことが苦手だった小学生の頃の通信簿。40年にわたるスケジュールノート、世界各地を旅した記録。旅先から両親に宛てたポストカード、その先々の地図と列車の時刻表……。
学生らにとっては、どれもが興味深い様子だ。
デジタル以前。足で情報を集めた手書きの時代から、ワープロの普及、コンピュータの台頭とインターネット、デスクトップ・パブリッシング……。東京での20代と、ニューヨークでの30代の経験は、変化に次ぐ変化で、振り返るに目まぐるしい。
「自分史」を基軸にして「世界史」の変化、イデオロギーや人間の価値観の変遷をリアルに熱く伝えられる研修会は稀有だ。パンデミックが明けた今、この唯一無二の経験のシェアは、たとえささやかであれ、未来を模索する人に何か示唆を与えるものがあると自負している。
そして彼らと話をすることで、彼らの考えや問題点も明るみになり、わたしもまた勉強になる。ゆえに、質疑応答や座談会の時間も、非常に貴重だ。参加する学生もまた、他の学生の話を聞くことによる学びは多いが故。
過去に2度、YPOフォーラムのモデレータ・トレーニングを受けた身としては、自己啓発の研修会を実施することもできる。来年も、新たなプログラムを構築し、未来に繋げたい。
🇯🇵「トビタテ!JAPAN」インターン生の受け入れと、若者向け研修会を通して、自分の価値を見直す
https://museindia.typepad.jp/2023/2023/12/young.html
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