昨夜は、親しい友人Mitaliの夫、Manavの50歳の誕生日を祝うパーティに参加した。それは、豪華ながらも家族愛にあふれた、温もりあるパーティだった。
インドでは一般に、誕生日を迎えた本人が、周囲の人々に感謝を伝えるべく、お菓子やケーキなどを準備する。オフィスなどでも、自分で準備したケーキを他の仲間たちにシェアする光景は一般的だ。
わたしもこれまで、友人たちの40歳、50歳といった節目の誕生日パーティに招かれ、楽しい時間を共有させてもらった経験は少なくない。
2022年8月に迎えた我が夫、50歳の誕生日は、完成したばかり(即ち未完成)の新居に友人知人らを招待、アレンジを効かせた日本料理でもてなした。
以下、誕生日の記録というよりは、ほぼ「食の記録」だが、参考までに。
💕50歳お誕生日おめでとう! A happy Sunday afternoon we were blessed. Thank you, everyone.
https://museindia.typepad.jp/2022/2022/08/birthday.html
昨夜のハイライトは、夫妻の娘のライヴとトーク。父親の半生をかいつまんで説明し、家族にゆかりのある歌などを披露する。初めて出会った6年前に比べると、すっかり大人びた彼女の雰囲気に感嘆しつつ、目頭が熱くなる。
また、Manavが語った今日に至る足跡に、心を動かされた。北インド、パンジャーブ州の小さな村に生まれた彼。州都のチャンディガールに出ることを夢見ていた少年が、縁あってバンガロールに移り住み、切磋琢磨して現在に至る。妻のサポートもまた、偉大だったに違いない。
人に歴史あり。関わる人々一人ひとりの背後に、唯一無二の物語がある。
マイクを握ったManavの父君が、「彼が50歳ということは、わたしたち夫婦の結婚51周年なんです」と言いながら、ゲストに感謝の言葉を述べている様子にも心を打たれた。
インドの人々は、本当に、家族を大切にする。日本でいう「親孝行」という言葉の意味合いに相当する言葉は、存在しない気がする。それは当たり前の行為であり、声高に「孝行」と言い及ぶことでもない。あまりにも当然のことだからだ。仕事よりもなによりも、家族を優先するのが、この国の常識でもある。
このことが、何を意味するのか。その結果、どのように社会の規範が育まれているのか。インドに暮らし働かせてもらっている我々異邦人は、しっかり受け止め考える必要があるとも思う。
ちなみに我が夫の祖先も、パンジャーブ州が出自だ。現在のインドでは小さな州だが、インドとパキスタンが分離する前は、両国に跨ぐ広大なエリアだった。故にパキスタンにもパンジャーブ州がある。我が夫の母方祖先は、パキスタンのラホールが原点。この歴史の話になると、尽きないので割愛するが、関心のある方はこちらの記録(超絶長編)もどうぞ。
🇮🇳🇯🇵8月15日。インドの独立記念日と日本の終戦記念日が同じ日なのは偶然ではない。印パ分離独立を巡る家族の物語など。
https://museindia.typepad.jp/library/2021/08/815.html
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