本日、夫が50歳を迎えた。マンハッタンで出会ったときには、23歳だった彼も、年齢の上ではすっかり中年だ。
さて、一昨日の日曜日は、少し早めの誕生会と、ハウスウォーミング・パーティ(第1弾)を開催した。家はそこそこ快適に暮らせるように整えてはいるが、まだ足りない家具や調整を要する諸々がある。広大な庭をどうするかというテーマもあり、今年いっぱいかけて「育てる」予定だ。
親しいインドの友人たちを招いてのパーティ。「社交」を尊ぶインドにおいて、日曜日の予定が詰まっている友人が多数。加えて、COVID-19ほか、このモンスーンの時期には体調を崩す人も多い。日程を決めるのに少々手間取ったが、最終的には日曜の遅めのランチを楽しむ集いとした。
参加者は30人程度となることから、最初はケータリングを頼もうかと思ったが、せっかくなので、自分で作ることにした。米国在住時から、数十名の大人数パーティの料理を準備することには慣れている。ただ、新しいキッチンで手際よくできるかどうか、気にはなった。旧居から調理器具を運び込み、台所環境を整えるところから始める。
友人らの中には日本料理が好きな人が多い。一方で、ヴェジタリアン(菜食)も多数。これまでわたしが作るパーティ料理といえば、丸鶏のグリルとか、豚塊肉のローストとか、バンガロール牛のステーキなど、肉料理でドーンと勝負するものが多かった。ゆえに、今回の献立作りは、わたしにとってチャレンジングでもあった。
ヴェジタリアン、ノンヴェジタリアン、別々の料理を作るのは、手間な上に、品数も限られる。あれこれと考えている時に、ふと思いついた。まずは、ピュア・ヴェジタリアン向けの料理を多めに準備し、ノンヴェジ向けの肉や魚介類は「トッピング」扱いにすればいいのではないか、と。
このアイデアは、我ながらすばらしいと気に入った。
*白菜と青梗菜、豆腐のキムチ煮込み鍋〔トッピング〕豚バラ肉とネギの甘辛味噌煮
*薄揚げと椎茸の煮付け、錦糸卵、アヴォカド、トマトのちらし寿司〔トッピング〕サーモンの刺身
*ポテトとニンジン、玉ねぎのサラダ〔トッピング〕エビとイカのマリネ
*ナス、オクラ、ベビーコーンの揚げ浸し〔トッピング〕自家製鶏モモ肉のハム
その他、クリーミーなブラタ・チーズを載せたサラダや枝豆、あいにく体調不良で参加できなかった友人からの差入れのモモ(チベット風の餃子)、ゲストが持ち寄ってくれたおやつなど、写真を撮る余裕がなかったのだが、食卓は華やいだ。
誕生日ケーキは、土曜の朝、旧居でスポンジを2台焼いて準備をしていた。新居のオーヴンはまだ使ったことがないので、うまく焼けない可能性があったからだ。イチゴやパイナップルのトッピングが夫の好みなのだが、いちごはシーズンではないし、パイナップルもコンディションがいいものがなく。……と、数カ月前に購入していた小豆の缶詰が目に入った。抹茶クリームで和風ケーキを作ることを思い立った。
羊羹やあんこは、インドの人々にはあまり人気がない。しかし、抹茶アイスはじめ、抹茶関連のお菓子は人気がある。あんこも濃厚なクリームに溶け込ませればおいしいはずだと確信して作った。デコレーションは……小豆の粒で、猫の足跡😹
料理の準備をしたり、家の随所を案内したり、語り合ったり……。すでに動画にアップロードしているが、ミュージシャンであり起業家でもある友人がすばらしい歌も披露してくれ、なんとも言えぬ情趣に包まれた、濃密にやさしい午後だった。多忙な中、遠方まで駆けつけてくれた友らに感謝しつつ……。
外部の業者を入れず、すべて一人で賄うのは、なかなかにタフな作業であり、インド的ではない。しかし、今回ばかりは大人数でも敢えて、自分らしいおもてなしにした。ドリンク類もセルフサーヴィスしやすくセッティングした。みな、楽しんでくれたと思う。
キッチンのレイアウトは、自分でアレンジしただけあり、使い勝手が本当にいい。普段は料理をしながら、カウンター越しに庭を眺められるのが心地いいが、こういうパーティの際には、ゲストと話ができるのも、非常にいい。
千客万来の家になるであろう新居が、いよいよ、深い呼吸を始めた。
もはや、わたしの好みが悉く映し出された作品となりつつある我が家。この家づくりは、時間をかけてじっくりと取り組もうと改めて思う。
友人知人各位。当面、週末は我々夫婦、空港に近いこの新居で過ごす予定につき。どうぞ気軽に遊びに来てください。
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