本日、ウッタル・プラデーシュ州アヨーディヤーのヒンドゥー教寺院の再建に関して、多くの情報が錯綜している。一概に「ヒンドゥー教が押し通している」わけでもなければ、「イスラム教徒が抑圧されている」というわけでもない、そこには長い紛争の歴史がある。2019年の判決を受けての、今回は結果なのだ。その点を知らずに表層で善し悪しを語るのは、平和的ではないと思う。
モディ首相をして、諸々批判的な声も聞こえる。批判するのは容易い。しかし、彼の功績を知る必要もあるのではないか。わたしが移住した2005年以降、インド国内において、しばしば大小のテロが発生してきた。大きいところでは2006年に起こったムンバイ列車爆破事件。これは、わたしが常々お薦めしている映画『Mumbai Meri Jaan (2008)』において、その舞台となっている。
また、2008年11月26日には、ムンバイで同時多発テロが起こった。そのほかにもさまざまな軋轢が発生していたが、2014年にモディ首相が就任して以降、大きなテロは起こっていない。その点においても、モディの尽力に、個人的に敬服している。
インドに関わる方には、これを機に、以下の動画をぜひご覧いただきたい。聞き流すだけでも、多分かなり、勉強になるはず。この国に、住めば住むほど、知れば知るほど、浅薄な知識で一刀両断することがいかに危険かということも、わたしは実感している。
なお、以下の写真は、②の動画で使用しているプレゼンの資料だ。このアヨーディヤーを巡る歴史についても言及している。
文字情報はこちらに残している。
🇮🇳渦巻く宗教問題。Ayodhya dispute(アヨーディヤー紛争)の判決を巡る覚書(2019/11/09)
https://museindia.typepad.jp/2019/2019/11/ayodaya.html
【インド・ライフスタイルセミナー】パラレルワールドが共在するインドを紐解く/セミナー動画
①多様性の坩堝インド/多宗教と複雑なコミュニティ/IT産業を中心とした経済成長の背景/現在に息づくガンディの理念
②「広く浅く」インドの歴史(インド・パキスタン分離独立)/インドの二大政党と特筆すべき人物/テロが起こる理由とその背景
③明治維新以降、日本とインドの近代交流史〈前編〉人物から辿る日印航路と綿貿易/からゆきさん/ムンバイ日本人墓地/日本山妙法寺
④明治維新以降、日本とインドの近代交流史〈後編〉第二次世界大戦での日印協調/東京裁判とパール判事/インドから贈られた象/夏目漱石
⑤インド国憲法の草案者、アンベードカルとインド仏教、そして日本人僧侶、佐々井秀嶺上人
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