😸今朝は月に一度のFM熊本収録日。2008年1月に開始以来(当初は月に2回だった)、今回でちょうど200回目だった。この間、DJの方も入れ替わり、現在は4人目。毎回、何を話そうかと話題を探す必要はなく、どの話題にしようかと「絞り込む」方が困難。それほどに、インドの日常は話題性豊かなのだ。いつもは、わたしが一方的に話す……という感じなのだが、今日は、特に話のテーマを決めず、DJの方に、今後どういう話をしましょうか……的な感じで、会話をさせてもらった。
話の流れから、我が家の4猫の話になった時、強い関心を持ってもらえた。この頃は深度深くスケールも大きめの話題が多かったようなので、初心に返って日常的な親近感を抱いてもらえる話題も盛り込もうと思う朝。我が家の元野良4猫の話も尽きない。なにしろ、インドは「野良動物に餌を与えるのは国民の義務」だからな。「へ?!」と思われるよな。
🎨昨日は、ほぼ毎週火曜日に開催されている「女性の勉強会」へ赴いた。スピーカーはラジャスタン州出身のテキスタイル・アーティスト、Pragati Mathur。幼少時、パリのポンピドーセンターを目にしたときに、色彩に対する感性を強く刺激されたとのこと。昔のポンピドーセンターの外観は、カラフルないくつものパイプに覆われた、斬新な建築物だったのだ。
35年以上に亘り、テキスタイル・デザインの世界を歩んできたという彼女。故郷、地球、環境、精神世界、聖性、個人的な情念などを託した作品を産み、国内外のさまざまな建築物を彩ってきた。また、自らWeaver(織る人)として、さまざまな素材を「糸」にし、それらを織り、布にする。その作業に込められた感情にまつわるストーリーも、非常に興味深い。
この日は、彼女が手がけたいくつかの作品と、その作品に込められた思い、また使用した素材や製作過程などについてを語ってくれた。
中でも、彼女が最も時間を割いて説明してくれたのが、昨年来、折に触れて記してきたバンガロールの新空港ターミナル、略して「T2」に展示されている彼女の作品だ。天井に吊るされた渦巻くような布と、その周囲のオブジェが彼女の作品だ。完成までのプロセスの話もまた、非常に印象的だった。
わたしは「T2」に関し、開港前から具体的な情報をシェアしてきた。またオープニングの様子、その後の取材コーディネーションで知った話なども含め、熱量高く紹介している。CEOであるHariとその妻Yashoから聞く話は、いずれも興味深いものばかりで、強く心を動かされるのだ。
再掲載するが、「T2」は以下の指針をコンセプトに建築されている。まだ工事中の箇所もあるが、早晩、完成するであろう。
[Four Guiding Principles/4つの指針]
1. Terminal in a Garden/庭園の中のターミナル
2. Sustainability/サステナビリティ
3. Technology/テクノロジー
4. Art & Culture/芸術と文化
4つのテーマ、それぞれに、語りたいことは尽きず。
「T2」の随所に、合計43人のアーティストによる60の作品が配されている。そのうちの数名は、わたしの友人知人も含まれている。作品に共通するテーマは、インドの伝統や文化。それに加えて「ナヴァラサ Navarasa」と呼ばれる9つの感情表現もある。
アーティストの作品に加え、ASI (Archiaeological Survey of India) すなわちインド考古調査局の協力で、同局が管理する芸術作品も展示されている。これらは3カ月おきに作品を入れ替えつつ、展示されているようだ。
「T2」を彩り、旅人の関心を惹きつけるアート。そのいずれもが、アーティストたちの精魂が込められた、真性の芸術品だ。その作品が誕生するまでの背景を知れば、より一層、興味深く眺め、受け止められる。「T2」を利用する際には早めに空港へ向かい、作品を鑑賞してほしい。飛行機に乗り遅れない程度に、じっくりと。
後半の写真は、前回、取材をコーディネーションした際に撮影したもの。オフィスの入り口に飾られているのは、友人Tanya Mehtaの作品。彼女の世界観が、わたしは本当に好きだ。最後の写真は、先日、着物とサリーの比較展示会をしたときのもの。この『月刊 航空情報』という専門誌の取材を通して、「T2」について、より深く知ることができた。1951年に創刊されたというこの雑誌。わたしたちが持っている掲載誌、2023年12月号を以て、休刊になったという。
✈︎ケンペゴウダ国際空港ターミナル2/バンガロール新空港の背景にある物語の記録集(ぜひご一読を)
https://museindia.typepad.jp/library/terminal_2/
Bengaluru International Airport’s Terminal 2 becomes a haven of art
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