金曜日は、非常に有意義な1日だった。バンガロールの老舗ジュエリーショップ「C Krishniah Chetty & Sons」が運営するクリスタル・ミュージアムサロンにて、日本に関するプレゼンテーションをする好機に恵まれたのだ。
オーナー夫妻が友人だということもあり、以前もクリスタル・ミュージアムの開館セレモニーに招かれたり、3月下旬にはミューズ・クリエイションのメンバーと共にジュエリーショップとミュージアムの見学をさせていただくなどの交流があった。
「クリスタル・ミュージアム」は開館以来、顧客を招いてのさまざまな文化的なイヴェントを実施されており、わたしも以前、「ラーマーヤナ」に関するトークに参加させていただいた。昨年末、わたしが「着物とサリーの比較展示会」を実施したことを受けての、今回の催しの実現である。
招待客は同店の顧客を中心に70〜80名。わたしの友人知人も招待した。日本人の参加希望者は、ミューズ・クリエイションの若者メンバーら含め7名。インド人に対してはもちろんだが、日本の人たちにも知ってほしい厚みと深みのある内容だ。
当日の朝、設営のために会場へ赴いたところ、担当の女性が慌ただしくしている。聞けば、前日になり、急に参加者希望者が増えて、かつてなく100名以上が出席するとのこと。席についての食事をしながらの催しにつき、追加の手配や館内のレイアウトの変更作業に追われていた。
わたしの身の回りのインドの人たちの日本に対する関心の高さについては常々、言及しているが、今回のイヴェントではそのことを改めて実感すると同時に、生半可なことは伝えられないと、身の引き締まる思いである。
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ご存知の通り、バンガロールに戻ってからもしばらくエジプトの記録を書き上げるのに時間を費やし、なかなか気持ちが日本に向かなかった。エジプトの扉を一旦閉じて、今度は古の日本に思いを馳せつつ、新たな資料を作成。
オーナーからは、日本独自の魅力の理由や、日本とインドの共通点についても言及してほしいと依頼されていた。今回はそこを、かなり深く掘り下げた。
日本とインドのシルクロードを経てのテキスタイルの交流、明治時代の綿を巡る日印貿易(タタ財閥創業者と渋沢栄一の関係)、タゴールに岡倉天心、タゴールと絞り染め、そこから日本の着物とインドのサリーの共通項、そして神道と仏教の関係史と、弁財天や大黒天などインド由来の神々の話など……。例を挙げれば尽きない。
自分で資料を作りながら、面白すぎて、数日間、没頭していた。資料は厚くなるばかりだが、話せる時間は60分。資料は後ほどシェアすることを前提に、毎度のごとく丁寧に編集した。
神道と古代エジプトのシンクロナイズも相まって、またしてもエジプトの扉が開きかける。
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新居からは、「引っ越しですか?」というくらいに、またしてもマネキンガールズ2名や着物、帯、それに雛人形をはじめ、さまざまな日本の伝統工芸品を詰め込む。
プレゼンテーションの準備、荷造り、荷解き展示、イヴェント、そして片付け……と、怒涛のような数日間だったが、力を入れた甲斐はあった。
大半のゲストが、ビジネスや個人的関心と、何かしら日本と関係をお持ちだ。トークの後は、多くのゲストに声をかけられ、感想を伝えられた。
「今日の話を聞いて、自分は今まで左脳で日本を理解してと気づいた。しかし今日、右脳で日本を深く知れた気がする。今後、日本とビジネスをする上で非常に役立ちました」といった感想も励みとなった。
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ところで、インド・ファッションに身を包んだマネキンたちも着物や羽織を羽織ってくれた。なかなかにお似合い😁
来週は日本へ一時帰国。日本では、今回こそ、新しい浴衣を数枚、買おう!(着物は暑い😅)
🇮🇳創業155年のジュエリー店にて学ぶこと尽きず。インドの歴史、伝統、文化、宗教、占星術、家族の絆……そして地球の力!(2024/3/25)
https://museindia.typepad.jp/mss/2024/03/crystal.html
◉老舗貴金属店の「クリスタル・ミュージアム」開館セレモニーへ。(2023/07/12)
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◉バンガロールの老舗ジュエリー店で、宝石の歴史を辿る。(2022/10/05)
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