昨年秋の一時帰国時に、インドへ持ち帰った母の着物や、リセール着物。それらを何度か着用したが、着付けには苦戦した。そもそもサイズが全体に小さい。さらには着付け以前に、襦袢や帯枕などが、母が使っていた半世紀以上前のもので、使い勝手が悪い。
たとえば襦袢に必要な衿芯が柔らかすぎて、襟がピシッと整わずだらしなく見える。動くとすぐに形が崩れる。ゆえに両面テープで留めるなどして凌いでいた。今回の旅では、兎にも角にもきちんとした襦袢を買わねばと思っていたので、浅草の着物セールでは1枚、購入していた。
更には先日、着物にお詳しい京子さんにお会いした際、「壱の蔵」で販売されている襦袢を勧められた。なんでも、襟の部分をジッパー(ファスナー)で取り外しできるというオリジナルの襦袢だという。
ところで昨今では、「うそつき襦袢」なるものが普及している模様。個人的に、耳にひっかかる心地悪い名称ではあるが、着物を着る際に手順を省いたり、簡略化してそれらしく見せることを「うそつき」と言うらしい。
うそつきでもなんでもいい。素人ゆえ、手軽にパシッと着こなせる襦袢を手に入れたい。しかも、おおむね暑い気候のインドで着るからには、涼しげな作りになっているというそれは魅力だ。
最終日、表参道駅にほど近い場所にある「壱の蔵/青山サロン」を訪れた。代表の弓岡氏に対応していただき、その名も「らくらく半襦袢」の構造や着付け方法を丁寧に伝授していただく。これは、美しく着付けられそうだ!
この店にはまた、上質なリセールの着物が数多く揃っている。帯にも着物にもついつい見入るが、今回はもうスーツケースの重量超過だ。しかしながら、絞り染めの帯締めがまたすばらしく、看過できず。ストール代わりに欲しいとインド友らから頼まれていたことを思い出し、数枚を購入した。微細な仕上がりの見事な帯締めには感嘆するばかり……。
着物や羽織、帯などだけでなく、このような上質の帯締めなどがオークションサイトで叩き売られているのは知ってはいたが、実際にこれほどの量のものを一度に見るのは初めてだった。未使用のものも紛れている。大正時代ごろのヴィンテージもある。やれやれ、尽きない。
ここではへちま製の涼しげな帯板も売られていたので購入。初日の浅草では、やはりへちま製の帯枕を購入していた。少しでも、涼しいに越したことはない。諸々、下準備はかなり整った。あとは、いかに手際よく、美しく着付けられるようになるかだ。来月もまたイヴェントに招かれている。それまでに、特訓せねば!
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