師走は敢えて、走らず歩こうと、デリーから戻ってのちは、丁寧に過ごす日々。
世界は概ね、加速していて、この時代。時間どろぼうに覆われた地球。
半世紀前に誕生した、ミヒャエル・エンデの『モモ』が見たら、多分、目を回すだろう。
「人間には時間を感じとるために心というものがある。」
年末年始は、旅をしない。何十年ぶりかに、『モモ』を紐解こう。
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この1週間。iPhoneの「写真」に残された写真を拾ってみる。
1. “I am calling you…”と、思わず口ずさんでしまう情景。1987年公開の映画『バグダッド・カフェ』を思い出す。馬車馬のように、無我夢中で働いていた20代のころ。仕事は辛く、ボーイフレンドにふられて寂しく、休日の楽しみは映画を見ることだった。映画館で。レンタルヴィデオで。あのころ見た無数の名画の数々が、わたしの感性を育ててくれた。『バグダッド・カフェ』も、そのひとつ。
2. デリー最後の夜の食卓。パパ(義父ロメイシュ)の写真を眺めながら。遺影に使ったこの写真は、パパが最後に我が家へ遊びに来た時に撮ったもの。夫と二人のツーショットを食卓で。だから、彼の目は、わたしを見ている。パパが急逝して5年も経ってしまった。でも、いつも近い。
3. 北から南へ飛ぶ途中の西。短時間のフライトは窓際がいいけれど、少し長いと通路側を選ぶ。窓際を選べばよかったと小さく後悔する、夕暮れの上空景色の麗しさ。
4. 地図を見るのは楽しい。飛行機の中で見る地図は格別に楽しい。最近では、地図の見方にもいろいろな選択肢があり、それも楽しい。昔は「ハートを射抜かれた白い巨人」が地図の上を動くばかりだったのに。
5. 6. ベンガルール国際空港ターミナル2に到着すると、本当に、ほっとする。レンガや緑やアートが「おかえり」と、やさしく迎えてくれる。友人の作品を眺めつつ「ただいま」と言う。
7. 鉄筋を包み込む、防炎加工のある竹筒は、全部を繋ぐとバンガロールからムンバイまで到達する長さなのです。
9. 10. 1月12日(日)に開催されるジャパン・ハッバ(日本祭り)の準備。久々にミューズ・クリエイションの活動を新居にて。お祭りの説明をオンラインで受けながら、書道短冊作りをしながら、時におやつやランチ休憩を挟みつつ。2012年から2020年までの8年間は、毎週金曜日、旧居を開放して集っていた。10名、20名、30名……多い時には40名近く……楽しかった。若かった。振り返れば信じがたいことをやってきた。自分で自分がよくわからない。
11. 12. Calling You...は、新居のディープ・クリーニングの一コマであった。未だウィークエンドハウス状態の新居はメイドがおらず。日頃はエクササイズと称して自ら掃除をしているが、天井の蜘蛛の巣やら、埃やらなんやらを完全に掃除するのは不可能。年に数回、ディープ・クリーニング軍団を手配しているが、10数名の男子らに指示を出すのもなかなかのエネルギー。もちろん、彼らは掃除のエキスパートと称されてはいるが、納得いかぬ点が多々あり。同じ会社の同じチームをリクエストして、毎回、坂田マルハン式クリーニングを教育&伝授している。少しずつ、向上している……気がする。
13. 14. 主人(あるじ)不在の庭に咲くハイビスカスの健気さよ。
15. クリスマスツリーを新居の玄関先に設置。移住翌年の2006年に近所の古いモールで買った。当時の記録を紐解けば、懐かし。オーナメント、増えるどころか、減っている。ある時期、猫らが飛び乗って壊されたもの多々あり。来年あたり、もう少し心を込めて飾るべし。
https://museindia.typepad.jp/blog/2006/12/post_1.html
19. 韓国は釜山で購入したマグカップ。いい色。いいサイズ。いい持ち心地。韓国旅も、楽しかったなあ。
20. 久々、料理の写真@旧居の日常。雰囲気のいいものは新居に運び込んでしまい、旧居はなにかしら、宙ぶらりん。テーブルクロスとマットと食器がもう、バラバラの取り合わせだが、イワシとエビのフライが非常においしかった。インド産日本米であるところの谷藤米もおいしい。日本の味が、五臓六腑に沁み渡る。
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