記録するテーマを絞り込もうと思いつつ、やっぱりインドの日々は、伝えたいこと尽きず。過去、何度となく記してきたとはいえ、目にしていない人が大半であろうから、改めて説明したい思いに駆られる。
週に一度の女性の勉強会。昨日はトークではなく「懇親会」で、ドレスコードが「ピンク」だった。最初は手軽にピンクのドレス(ワンピース)にしようかと思ったが、久しぶりに絞り染めのサリーを着ることにした。
2008年、ムンバイと二都市生活をしていたころに、ムンバイで購入したサリー。子供のころに着た浴衣の兵児帯(へこおび)を思わせる懐かしさが漂う。柔らかな絹の一面に施された絞りは、布に伸縮性を与え、心地よく身体にフィットして着崩れしにくいのが特徴だ。
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日本では「絞り」「絞り染め」、英語ではTie&Dye、インドではバンダーニ(Bandhani)と呼ばれる布作りの技法。歴史は遥か5000年前のインダス文明に遡る。インドで生まれた染色技術が、シルクロードを経て日本に渡来しのたは7世紀ごろ。奈良時代には日本独自の多様な技法が次々と誕生した。中でも江戸時代に隆盛を極めた京都の「鹿の子絞り」は、広く知られるところだ。
日本で育まれた「絞り」の技術は、ラビンドラナート・タゴールによってインドにもたらされた。インド国歌を作詞作曲、ノーベル文学賞を受賞した偉大なる詩人、思想家であるタゴール。彼は岡倉天心との親交も深く、何度も来日している。伝統芸術の復興や手工芸の存続にも尽力していた彼の情熱は、継承されてきた。1997年には、北インドのアーメダバードで、第2回国際絞りシンポジウムが開催されるに至っている。
日本の絞り染めは、インドのバンダーニよりも手法が豊かで、愛好するインド人女性たちも少なくない。それらは「SHIBORI」という名前で呼ばれ、バザールなどでもしばしば目にする。
過去の記録に詳細を残しているので、リンクを貼っておく。今日はこれから、着物(単衣&半幅帯)を着てお出かけだ。うまく着付けられるかな……。がんばろう。
🇮🇳🇯🇵インドで生まれ、日本で育ち、再びインドへ。歴史豊かな絞り染めの世界。(2021/09/15)
Born in India, raised in Japan, and now back in India. The history-rich "Shibori".
https://museindia.typepad.jp/fashion/2021/09/shibori.html
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