インド移住前の2004年、初めてこのホテルを訪れたとき、緑に満ち溢れた、コロニアル様式の建築物に、忽ち心を奪われた。「ガーデンシティ」の象徴のような場所だなと思った。
その一年後、今から20年前。バンガロール移住を決めたわたしたちは、住まいが見つかるまでの約1カ月をここで過ごした。だからこのホテルには、思い出も、思い入れも、深い。
家族や、友人や、クライアントを伴って、何度ここを訪れてきただろう。記憶を辿れば次々に、過ぎし日の光景が浮かび上がる。
今日、ミーティングのために、久しぶりに訪れた。朝から夕方までの長丁場ながら、休憩時間やランチタイムに、周辺を歩けるのが心地よく、満ち足りた気分にさせられた。
21年前の「旅人の木」は、見上げるほどに成長している。インド生活20周年。節目が重なる2025年。
21年前、旅の直前に、ワシントンD.C.のBarnes & Nobleで買ったトラベル・ジャーナルを開けば、『インド彷徨2004』が、鮮やかに蘇る。時間が伸縮する。
思いが募って、沈思黙考。
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